研究課題/領域番号 |
23520534
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
難波 和彦 京都産業大学, 外国語学部, 准教授 (10550585)
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キーワード | コードスイッチング / バイリンガリズム / 2言語同時習得 / 機能文法 |
研究概要 |
当該年度は、これまでに収集してきたデータをもとに、Halliday (1994) の選択体系機能文法のフレームワークでの分析をすることを、大きなテーマと位置づけた。このフレームワークは、語用論に重点をおいた文法理論ともいえるもので、コードスイッチングのメカニズム(文法構造)と機能(語用論的働き)をリンクさせたアプローチとして、有効だと考えられる。 バイリンガリズムの国際学会 第9回 International Symposium on Bilingualism (シンガポール)で、 A Systemic Functional Approach to Japanese-English Code-switching というタイトルの研究を口頭発表し、この新しい分析方法について、他の研究者からのコメント・示唆を得ることができた、特に日本語―英語ではないが、この機能文法をコードスイッチングの説明に使うというアプローチを試みたことのある研究者と意見交換ができたことは有益だと考えられる。 バイリンガリズム研究の裾野を広げる目的で設立した、第1言語としてのバイリンガリズム研究会のメンバーで、2014年8月に、オーストラリアで行われる世界応用言語学会AILAで、コロキアムでの合同発表をする予定をしている。ここではさらに選択体系機能文法でのコードスイッチングの研究の進展したものを発表する予定である。さらにこの研究会のメンバーで、バイリンガリズム入門の教科書の執筆をする、など研究の成果を研究者のみならず、幅広い読者にも拡めていく活動に取り組んできたが、本年度前半にこの本の出版が予定されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マイナス面としては、1、2年目はデータの書き起こしに取り組んだが、当該年度は機能文法での分析方法の確立に焦点をおいたので、データの書き起こしは行わなかった。Muyskenの3種類の分析方法に加えて、機能文法を使っての分析に実際にとりかかり、発表の機会を得たことは、プラス面である。
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今後の研究の推進方策 |
2014年度は、前年度に引続き国際学会 AILA(オーストラリア、ブリズベン)で、機能文法を使ったコードスイッチングの分析についての発表の機会があるので、この発表を通じて他の研究者の意見を仰ぎ、この方法論をより洗練されたものにしていく。 また前年度できなかった書き起こしについても、継続して行っていく。
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