研究課題/領域番号 |
23520539
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研究機関 | 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所 |
研究代表者 |
藤本 雅子 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, コーパス開発センター, プロジェクト非常勤研究員 (30392541)
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研究分担者 |
前川 喜久雄 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 言語資源研究系, 教授 (20173693)
船津 誠也 県立広島大学, 学術情報センター, 助教 (30275383)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 促音 / 子音 / 日本語 / 発声運動 / 調音運動 |
研究概要 |
5,6月に研究代表者と分担者による実験設定打合せを行った。 8月にパリ第3大学にて最新型グロトグラムによる声門図採取の実施のための準備とテスト収録,予備分析を行った。9月にパリ在住の各国語話者を募集し,日本語話者2人,フランス語話者2人,ベルベル語話者2人,アメリカ英語話者1人,イタリア語話者5人,韓国語話者1人の声門図と音声,または音声を録音した。6か国の言語のデータが得られ,子音の発声特徴につき比較検討できることが期待される。特にベルベル語は子音クラスタの多い言語であり,フランス語や英語は擬似的子音クラスタをもつ。それらの声門開大パタンや喉頭調節の様式を日本語の促音(重子音)と比較検討を行うべく,現在データ処理と分析を行っている。 12月にはハイスピード・デジタルカメラによる日本語話者1名の喉頭映像撮影を耳鼻科医の手技により東京大学付属病院(本郷)にて行った。現在データ処理中である。 2,3月には日本語話者2名のMRI画像を収録し促音と非促音の調音運動の違いを検討中である。 データ分析と解析の結果は,8月のICPhS(International Conference of Phonetic Sciences, Hongkong),11月の音響学会音声研究会(福岡),12月のICPP (International Congress on Phonetics and Phonology, Kyoto, Japan)等国内外の学会,研究会にて発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の最大の目標であった最新型グロトグラムのデータを多く採取できた点期待通りの成果があげられた。この最新型グロトグラムは従来の手法に比べ非侵襲的であり発声運動の検討に効果がある。現在パリ大学に1機しかないため,これを用いて複数の言語のデータが採取出来たことは非常に有益であった。 予定外であったが,MRIを用いての調音データが採取できた点有益であった。生理実験では多くの話者のデータを集めること自体が困難である。今年度のデータをもとに日本語の無声子音や促音の調音特徴の傾向が明らかになりつつある。 ハイスピード録画も1名の収録を行った。本年度は複数人数のデータ収録を行う予定であったが,担当技師の病気のため,24年度に延期になっっている。
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今後の研究の推進方策 |
最新型グロトグラムのデータ処理と分析を完了し,順次発表を行う。 MRI動画とハイスピード録画は追加データを採取し,分析を行う。 MRI,ハイスピード実験ともに6,7月に収録を検討している。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度実施予定であったハイスピード画像収録が人数分行えなかった。これは機器を扱う技師の手術,入院によるものであった。現在は回復しているので次年度行う予定である。データ分析を依頼するアルバイターの作業も一部予定より遅れた。遅れは次年度に回復すべく作業を進めている。
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