研究概要 |
平成23年度には「日台字音便覧」データベースに台湾語ローマ字を入力することで、現代版「日台字音便覧」データベース(7,283字)を完成させていた。また日本語教科書『みんなの日本語』に出てくる漢字の熟語を、その提出された課とともにExcelに入力し、さらに対応する台湾語も入力することで、「日本語漢語基本語彙・台湾語対照表」データベース(717字)も完成させていた。平成24年度は、この現代版「日台字音便覧」データベースの漢字から、「日本語漢語基本語彙・台湾語対照表」データベース、および「台湾ビン南語推薦用字700字表」(中華民国教育部作成)に掲載のある漢字をピックアップする作業を進めた。そして「日台基本漢字」発音対照表データベース(1,169字)を完成させた。また、新たに北京語音(ピンイン、注音符号)を加えた。これによって、北京語で学校教育を受けている台湾人、そして日本で中国語教育を受けている日本人にとっても有用なデータベースとなった。 これを受け、今年度は5月18・19日に台湾・成功大学で開催された「第六屆台灣羅馬字國際研討會」にて、「日本語教育における「日台基本漢字」発音対照表の可能性について」というタイトルで、これまでの研究成果についてポスター発表を行った。そして台湾における台湾語研究者、日本語教育研究者からの評価を受けた。特に台湾語研究者の洪惟仁氏(国立台中教育大学退休教授)からは数々の有益な指摘を受け、その後データベースの修正を行った。 そしてこのデータベースをもとに、台湾の日本語教科書に出てくる漢語に台湾語音を併記した資料を作成した。これを利用し、台湾・銘傳大学をはじめとした複数の教育現場で、日本語学習者に対してアンケート調査を行った。
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