本研究は、動詞ラレル形(「動詞+レル・ラレル、ル・ラル、ユ・ラユ」の形)、および動詞見エル(見ユ)・聞コエル(聞コユ)などを述語とする文(出来文)について、格表示等の構文をめぐる変遷の概略を調査することを目指した。 本年度は『虎明本狂言』について、出来文の用例を抽出、構文情報等をタグ付けしたデータベースの完成を計画していたが、補助員が確保できなかっこともあり、完遂に至らなかった。一方、必要な資料・文献等の収集に努めた。すなわち、古典文学の注釈書、古代日本語・日本語文法・言語類型論に関する研究書を購入した。また、研究内容に関連する研究発表、報告を計2件行った。
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