研究課題/領域番号 |
23520553
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
佐々木 勇 広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (50215711)
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キーワード | 親鸞 / 漢字音 / 位相差 / 浄土真宗 / 呉音 / 声調 |
研究概要 |
本年度は、当初の計画のとおり、親鸞遺文を中心とする、浄土真宗古写本の複製本購入・写真複写を継続するともに、原本調査を行なった。さらに、原本の漢字に加点された訓点が確定できたものについて、順次、その漢字に加点された音注を、コンピュータを用いてデータ入力した。この入力は、主な遺文についてほぼ終了した。 具体的に購入した新規複製本・写真複写のうち、主なものは、以下のごとくである。 ○西方指南抄(同朋舎メディアプラン 2012.4-2012.12)4冊 専修寺所蔵本の影印(和綴本) 付属資料: DVD8枚 ○房山石經 全30巻(夏出版社 , 2000年5月) ○宮内庁書陵部所蔵宋版一切経 マイクロフィルムスキャニングデータ 文献調査は、龍門文庫(奈良、2回)・醍醐寺(京都、2回)・石山寺(大津)に出向くことができた。複製本・写真では不明な点を確認でき、原本調査の重要性を再認識した。また、親鸞遺文の漢字音注については、主な遺文のデータ入力をほぼ終了した。新規購入複製本によって知られた点を追加すれば、来年度の本格的な分析・研究にとりかかることができる。 今年度の研究によっても、予想通り、親鸞遺文の漢字音に文献の種類による位相差を確認できた。また、親鸞の加点年による年代差は存しないことも判明した。ともに初めての指摘であり、重要な研究成果であると認識している。これらの本年度研究成果は、すでに論文として公表している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記の通り、本研究は順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、以下の研究計画に従い、引き続き研究を継続する。現時点で、研究を遂行する上での問題点は、発生していない。 本研究の最終年度となる本年度は、漢字音情報採取・整理を継続しつつ、その分析・研究を行ない、研究成果公表の準備を進める。 1.データ入力・整理 前年度の作業を継続する。 2.データ分析 佐々木勇『平安鎌倉時代における日本漢音の研究』(2009 年1月、汲古書院)における分析方法を応用し、得られた資料を、「字音直読資料」「仏書訓読資料」「和化漢文訓読資料」「漢字仮名交じり資料」「書簡」の五資料群に分ける。その上で、各資料に見られる漢字音の音形と声調とを比較し、その差が生じた理由を、位相論的に考察する。 3.研究成果の公開 本研究の成果は、近い将来に、著書の形で公刊する予定である。本研究の最終年度にあたる本年度は、研究のまとめを行なうとともに、本研究成果公表のため、著書公刊の準備も進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度も、計画通り、予算執行する。前年度の残額は、出版予定の関連図書の出版が遅れた事による。今年度、その図書を購入する。 加えて、上記の方針に従い、本研究の最終年度となる本年度は、漢字音情報採取・整理を継続しつつ、その分析・研究を行ない、研究成果公表の準備を進める。 1.データ入力・整理 2.データ分析 3.研究成果の公開
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