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2015 年度 実績報告書

人情本を資料とした現代東京語成立に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23520558
研究機関首都大学東京

研究代表者

浅川 哲也  首都大学東京, 人文科学研究科(研究院), 教授 (50433173)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2016-03-31
キーワード人情本 / 松亭金水 / 閑情末摘花 / 山々亭有人
研究実績の概要

当該年度では、江戸時代末期人情本である『閑情末摘花』全五編(松亭金水作、天保10年―12年刊・1839―1841年)の全文の翻刻作業と、『閑情末摘花』についての書誌的調査を行った。その結果、これまでに刊行された同書の複数の活字化本は、版本の本文を正確に活字化したものではないことがわかった。それらの研究成果を「『閑情末摘花』初編~三編(翻刻)」(『新國學』復刊第7号、2015年10月)、および、「『閑情末摘花』四編~五編(翻刻)」(『人文学報』512-7号、2016年3月)として公刊した。
『閑情末摘花』の作者である松亭金水(寛政9年~文久2年・1795~1863年)は、文学史上において、天保年間に活動した人情本の元祖である為永春水(寛政2年~天保14年・1790~1844年)と、江戸時代末期から明治初期にかけて人情本作家として活動した山々亭有人(天保3年~明治35年・1832~1902年)とを繋ぐ中間的な世代に位置づけがされている。また、松亭金水は、漢文訓読文体の性格の強い読本系統の内容と文体・語彙などを人情本ジャンルに持ちこんだ作家としても知られている。松亭金水の人情本において、文学史上におけるこれらの性格が、語彙・語法上でどのような影響を及ぼしているかは、松亭金水作の人情本の正確な本文テキストがなければ調査できなかったが、その代表作である『閑情末摘花』全五編が、本研究により完全に正確な形でテキストデータ化されたことにより、語学的な調査が飛躍的に容易なものとなった。
これら江戸時代末期人情本資料のテキストデータ化の完成は、日本語学のみならず、日本文学・日本歴史学においても基礎的な資料として資するところの大きい研究成果となった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 2件)

  • [雑誌論文] 『閑情末摘花』四編~五編(翻刻)2016

    • 著者名/発表者名
      浅川哲也
    • 雑誌名

      人文学報

      巻: 512-7 ページ: 1-90

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 『閑情末摘花』初編~三編(翻刻)2015

    • 著者名/発表者名
      浅川哲也
    • 雑誌名

      新國學

      巻: 7 ページ: 185-284

    • 査読あり / 謝辞記載あり

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公開日: 2017-01-06  

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