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2012 年度 実施状況報告書

音義派言語論の日本語学史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23520560
研究機関大阪府立大学

研究代表者

山東 功  大阪府立大学, 21世紀科学研究機構, 教授 (10326241)

キーワード日本語学史 / 幕末国学 / 音義派
研究概要

本研究では、後の近代西洋化の中で埋没した感の強い、五十音図を絶対視しつつ、そこから活用論や語源論を展開させた「音義派」と呼ばれる言語論を展開した、幕末期国学者の言語研究に関連して、特に平田派国学者(平田篤胤門人)の言語研究に関する文献学的史
料調査、地方(伊勢等)・江戸派国学者の言語研究に関する文献学的史料調査、幕末期音義派国学者の言語研究に関するデータベース作成、幕末期音義派国学者の日本語学史的検討、の4点について、経年的かつ継続的実施を予定しており、本年度は、前年度に引き続き「平田派国学者の言語研究に関する文献学的史料調査」として、江戸後期において最も精力的な活動を行い、多くの音義派言語論書を刊行した、平田篤胤をはじめとする幕末期国学者の言語研究書等について、語彙項目や音義学説の精査を通して、時系列的に分析を行った。具体的には、明治期に至ってほとんど省みられることのなくなった音義書群の系統的分類を行うべく、暫定的なものとして年表形式の音義派文献一覧を作成した。なお、本研究の付随事項として、平田篤胤の講説と極めて近似した民衆教化の言説として著名な石門心学に関する調査も行い、結果として音義派と民衆教化との関係について考察を深めることが可能となった。
また、従来、断片的に把握されていた音義派国学者について、文献学的史料調査の結果をふまえてより詳細な一覧を作成し、今後の検索に資するデータベースの作成についての制度設計を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

文献調査に関しては所蔵先との調整等の面で問題となる点が見受けられたが、一方において近世国学と他の学芸との対比といった広がりを見せた考察が可能となったっ点をふまえ、おおむね順調に進展しているものと位置づけられる。

今後の研究の推進方策

今後は、文献学的史料調査の結果をふまえてより詳細な一覧を作成するべく、本年度は協力を頼みえなかった資料整理補助(1名×2ヶ月)を動員しつつ、具体的に、今後の検索に資するデータベースを作成する。

次年度の研究費の使用計画

次年度については、本年度の着手が不十分であった「地方国学者の音義派言語研究に関する文献学的史料調査」として、主として伊勢・上方で活躍した本居宣長・本居春庭ら鈴屋門流や、富樫広蔭門人(「桑名皇学会」等)の著述や注釈について、当時の文法論書と関係する音義論書等との対比をふまえた精査を通して、その特質の分析を行うことにより、本研究課題の総括を試みる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 3件)

  • [雑誌論文] 石門心学と不生禅2013

    • 著者名/発表者名
      山東 功
    • 雑誌名

      言語文化学研究(日本語日本文学編)

      巻: 8 ページ: 9-26

  • [雑誌論文] 三ツ井崇著『朝鮮植民地支配と言語』2013

    • 著者名/発表者名
      山東 功
    • 雑誌名

      日本語の研究

      巻: 9-1 ページ: 42-47

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 『日本語学』と日本語学史2012

    • 著者名/発表者名
      山東 功
    • 雑誌名

      日本語学

      巻: 31-14 ページ: 118

  • [学会発表] 近代日本における「国語」の成立と学校教育(2)2012

    • 著者名/発表者名
      山東 功
    • 学会等名
      22th International Congress of Japanese Language, Literature and Culture
    • 発表場所
      パラナ連邦大学
    • 年月日
      20120831-20120831
    • 招待講演
  • [学会発表] 近代日本における「国語」の成立と学校教育(1)2012

    • 著者名/発表者名
      山東 功
    • 学会等名
      Colloquia on Japanese Studies 2012
    • 発表場所
      サンパウロ大学
    • 年月日
      20120828-20120828
    • 招待講演
  • [学会発表] 文字と声の近代化―明治期国語・唱歌教育の諸相―2012

    • 著者名/発表者名
      山東 功
    • 学会等名
      台湾大学日本韓国研究統合プラットホーム
    • 発表場所
      台湾大学
    • 年月日
      20120428-20120428
    • 招待講演

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公開日: 2014-07-24  

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