研究課題/領域番号 |
23520560
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
山東 功 大阪府立大学, 21世紀科学研究機構, 教授 (10326241)
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キーワード | 日本語学史 / 幕末国学 / 音義派 |
研究概要 |
本研究では、後の近代西洋化の中で埋没した感の強い、五十音図を絶対視しつつ、そこから活用論や語源論を展開させた「音義派」と呼ばれる言語論を展開した、幕末期国学者の言語研究に関連して、特に平田派国学者(平田篤胤門人)の言語研究に関する文献学的史 料調査、地方(伊勢等)・江戸派国学者の言語研究に関する文献学的史料調査、幕末期音義派国学者の言語研究に関するデータベース作成、幕末期音義派国学者の日本語学史的検討、の4点について、経年的かつ継続的実施を予定しており、本年度は、前年度に引き続き「平田派国学者の言語研究に関する文献学的史料調査」として、江戸後期において最も精力的な活動を行い、多くの音義派言語論書を刊行した、平田篤胤をはじめとする幕末期国学者の言語研究書等について、語彙項目や音義学説の精査を通して、時系列的に分析を行った。具体的には、明治期に至ってほとんど省みられることのなくなった音義書群の系統的分類を行うべく、暫定的なものとして年表形式の音義派文献一覧を作成した。なお、本研究の付随事項として、平田篤胤の講説と極めて近似した民衆教化の言説として著名な石門心学に関する調査も行い、結果として音義派と民衆教化との関係について考察を深めることが可能となった。 また、従来、断片的に把握されていた音義派国学者について、文献学的史料調査の結果をふまえてより詳細な一覧を作成し、今後の検索に資するデータベースの作成についての制度設計を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
文献調査に関しては所蔵先との調整等の面で問題となる点が見受けられたが、一方において近世国学と他の学芸との対比といった広がりを見せた考察が可能となったっ点をふまえ、おおむね順調に進展しているものと位置づけられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、文献学的史料調査の結果をふまえてより詳細な一覧を作成するべく、本年度は協力を頼みえなかった資料整理補助(1名×2ヶ月)を動員しつつ、具体的に、今後の検索に資するデータベースを作成する。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度については、本年度の着手が不十分であった「地方国学者の音義派言語研究に関する文献学的史料調査」として、主として伊勢・上方で活躍した本居宣長・本居春庭ら鈴屋門流や、富樫広蔭門人(「桑名皇学会」等)の著述や注釈について、当時の文法論書と関係する音義論書等との対比をふまえた精査を通して、その特質の分析を行うことにより、本研究課題の総括を試みる。
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