研究課題/領域番号 |
23520570
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研究機関 | 神戸松蔭女子学院大学 |
研究代表者 |
村上 敬一 神戸松蔭女子学院大学, 文学部, 准教授 (10305401)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 地域方言 / 社会言語学 / 瀬戸内海 |
研究概要 |
本研究は、環瀬戸内海地域をフィールドとして、本州四国連絡橋(本四架橋)の開通(交通網再編)や市町村合併(地域生活圏再編)を背景とした、地域方言のダイナミックな変容の実態を明らかにすることを目的とする。本調査の結果を当該地域の過去の調査研究や周辺地域方言の変容の実態と比較・検討することによって、地域方言のみならず言語一般の変化・接触・干渉・融合について、そのメカニズムを理論的に解明することを目指す。今年度は、調査票を作成し、調査依頼をすすめるとともに、2地点での調査実施を計画した。調査準備に関しては、当該地域方言研究の先行研究を精査するとともに、調査結果のまとめ方(方言地図の作成)などについては、徳島大学岸江研究室から先端の知見を得ることができ、大きな収穫となった。調査票の作成や、調査準備に関しても、岸江研究室方々のほか、当該地域住民の方にもご高配を賜ったので、予想以上に進捗していると言える。しかしながら、調査の実施については予定通りとは行かず、翌年度以降の計画変更を余儀なくされることになった。実際の調査あたっては、環瀬戸内海地域の外環部にあたる、熊本県と宮崎県で最初の調査を行なった。当初は、予定していない地域であったが、環瀬戸内海地域から九州への言語伝播を見渡す上で、必要な地域であると考えた。また、予備調査ではあるが、香川県東讃地域での調査を実施することができ、来夏の本調査への見通しを立てることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査の実施については、地域住民の方など多大な協力を得たにもかかわらず、調査票の作成や方言調査の依頼といった、調査の準備に思いのほか手間取り、結果として、調査の実施が予定通りに進まなかった。その点を考慮すると、研究の目的の達成度は、やや送れているとせざるを得ない。しかしながら、最終年度に予定していた調査結果のまとめ方(方言地図の作成)などについての知見は、徳島大学岸江研究室から先端のものを得ることができ、調査実施の遅れを大きく補うものとなった。来年度の調査実施についても、香川県東讃地域および」しまなみ街道沿いでの調査を見込んでいるので、今年度に後れを取った分は、来年度にカバーできるものと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
来年度の調査実施について、香川県東讃地域およびしまなみ街道沿いでの調査を見込んでいる。調査に関わる旅費の支出が、少なからず発生することになる。調査の実施にあたっては、徳島大学、香川大学の大学院生、および地元の方々の協力を依頼することになっている。その分の旅費、謝金も必要になる。
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次年度の研究費の使用計画 |
新たに、徳島大学岸江信介氏に,研究分担者として加わっていただいた。研究費の一部をそちらに委譲し、共同で研究を進めていくことになる。調査旅費は双方で管理し、謝金などは双方で按分するような方策を考えている。
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