研究課題/領域番号 |
23520570
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
村上 敬一 徳島大学, 大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部, 准教授 (10305401)
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研究分担者 |
岸江 信介 徳島大学, 大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部, 教授 (90271460)
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キーワード | 言語地理学 / 社会言語学 / 四国方言 / 瀬戸内海方言 |
研究概要 |
本研究は、環瀬戸内海地域をフィールドとして、本州四国連絡橋(本四架橋)の開通(交通網再編)や市町村合併(地域生活圏再編)を背景とした、地域方言のダイナミックな変容の実態を明らかにすることを目的とした。2013年度は、3つの視点から方言調査を実施した。ひとつは、四国地方東部の地域差、世代差について明らかにするために、徳島県と愛媛県の高校生、及び社会人にアンケート調査を実施した。伝統方言語彙の衰退過程を明らかにするとともに、若年層における語彙の意味変化などを明らかにできた(村上2014a予定)。2つめは、方言テキストとその音読による方言音声の保存に取り組み、徳島県内と熊本県人吉市で資料収集及び調査を実施した。方言テキスト、音声の保存とともに、方言辞書、文法書の作成にも着手した。結果をまとめしだい、こちらも公刊の予定である。3つめは、海外日本語学習者の日本語受容について、当該方言域の方言を事例に、言語意識を中心にみるものである(村上2013)。 遡って2012年度調査では、広島・愛媛両県にまたがるしまなみ海道、香川県東讃地域と徳島県太平洋沿岸地域を中心に、アンケート調査と方言談話調査を実施した。しまなみ地域と香川県東讃地域の方言については、かつて継続的に調査を実施し結果をまとめている(村上2005a,2005b,2008など)。これらと本調査の結果を比較することで、この間の変化を明らかにしたいと考えている(村上2014b予定)。 2011年度から進めてきた本研究の結果は、2008年度から2011年度にかけて行なった「九州新幹線調査」との比較によって、方言変化の具体的で普遍的なモデルの構築が可能となる。今後の課題としたい。
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