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2012 年度 実施状況報告書

自然言語における度合い概念の役割-認識と構文

研究課題

研究課題/領域番号 23520576
研究機関東北大学

研究代表者

菊地 朗  東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (80177790)

キーワード比較構文 / 度合い表現 / degree
研究概要

平成24年度は、「度合い」概念がかかわる比較構文の従来研究のレビューを行い、それに基づいて、より認知的基盤を強固にした(「度合い」に関する)意味モデルを構築した。その成果は発表には至らなかったが、比較的妥当性の高いものになっていると考えられる。おおむね、「研究目的」に列挙した諸構文の特徴についての調査と記述は完了しており、全体的な理論的枠組みに当てはめて、より深い説明を試みる全段階に達している。
「研究目的」に列挙した現象のうち、(a)段階的形容詞・副詞の意味解釈に関して、秋孝道(編)『言語類型の記述的・理論的研究』(新潟大学人文学部)に「分離AP構文について」という論文を発表した。この論文の展開により、「研究の目的」で言及した(i)tough構文の不定詞と判断・原因の不定詞についても説明できる見通しが得られている。また、24年度には公刊されていないが(m)「~すぎる」という語を含む日本語文の解釈などを扱った論文"A phonologically empty degree adverb: A case study from a verb of excess in Japanese"を執筆した。これは5月ごろに出版される予定の『言語におけるミスマッチ』という論文集に掲載される。
年度を通じて、関連する領域に関する他の研究者の最新研究の分かりやすい紹介や批判的検討を、学生向けに公開し、その理解に貢献したつもりである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

「研究の目的」において完成を予定していた博士論文の執筆が遅れている。理由としては、各論部分の分析はおおむねできたものの、全体をまとめるモデルの構築に手間取ってしまったことが考えられる。また、最新研究のレビューをウェブ等で公開する目的も達成できないでいる。ただし、成果を部分的に反映した英文法は公開し、授業等で活用している。

今後の研究の推進方策

研究成果を博士論文の形でまとめることを第一に推進したい。できれば夏ごろまでに完成を目指す。その上で各論部分を研究発表やジャーナルへの論文執筆・投稿により公開する。

次年度の研究費の使用計画

資料として度合い構文関係の書籍の購入、および資料のまとめや整理のための情報機器の購入を計画している。また次年度の後半は、研究成果の発表に当てられるので、学会等への旅費にあてる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 『言語類型の記述的・理論的研究』2012

    • 著者名/発表者名
      菊地朗
    • 総ページ数
      1-11
    • 出版者
      新潟大学人文学部

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公開日: 2014-07-24  

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