研究課題/領域番号 |
23520579
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
中村 芳久 金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (10135890)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 言語進化 / 認知言語学 / 主観性 / Iモード / Dモード / 外置 |
研究概要 |
申請研究の目的は、(1)文献調査、(2)論文、翻訳・著作、(3)論文発表、ワークショップ、講演会等の実施計画によって、達成される予定であったが、以下の通り、予定した以上の成果が得られた。23年7月国際認知言語学会(中国西安)にて研究発表を行い、海外の研究協力者共同研究者と議論し、研究の基盤となる論点を提示し、今後の研究の方針・方向性を固めることができた。23年10月科学と非二元論カンファレンス(サンフランシスコ)にて研究発表を行ったが、脳神経科学や物理学など他分野の研究者との意見交換が有益であった。その後ノースカロライナ大へ出向き金容澤氏(研究協力者)と意見交換を行い、24年6月の招待講演会(金沢大)を取りきめた。23年11月日本英語学会(新潟大学)にてシンポジウムを行い司会と研究発表を行った。申請研究の基盤となる論点について日本を代表する研究者と有意義な議論・意見交換ができた。24年3月研究協力者らが開催した第9回国際進化学会(EVOLANG9、京都)に出席し、言語進化へのさまざまなアプローチの中でも、認知言語学的アプローチの独創生との妥当性が確信された。24年3月日本の著名な認知言語学者11名を招き2日間のフォーラム(東北大学)を開催した。研究の基盤となる観点を詳細に論じあい、申請研究の論点(言語の主観性から言語進化へ)の構想を提示することができた。本フォーラムで発表された論考は、さらに吟味検討されて、次年度に申請者が編集し出版することが決まっている(申請者の論文は2本載る予定である)。 24年1月と2月、群馬県立女子大学と札幌大学からそれぞれ嶋田裕司氏と濱田英人氏を招き、講演会(金沢大学)を行った。申請研究の基盤となる論点が講演内容と関連づけて、詳細に議論された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究実績の概要で示したように、23年度の研究計画は(1)文献調査、(2)論文、翻訳・著作、(3)研究発表、ワークショップ、講演会開催、であったが、シンポジウムとフォーラムの開催の場合と海外発表を含めて、4度の文献調査に基づく研究発表と1度の鼎談が行われている。これによって、申請研究の骨格ができた。またフォーラムの各発表を発展させたものを、申請者が編集するが、ここで申請者の2本の論文が掲載される。講演会は、2回の招待講演を開き、有意義な議論ができている。以上より、当初の計画以上に研究が進展していると判断される。
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今後の研究の推進方策 |
(1)(24年度末出版予定の)フォーラムの各発表を中心とした本の編集とそこに掲載られる申請者の2本の論文の執筆に力を注ぎたい。(2)23年3月に提出した博士論文(文学博士)が出版されるが、申請研究の基盤となるものであるため、研究の連続性を再度詳細に検討して、その点を強調して出版したい。(3)25年度開催の国際認知言語学会(隔年開催)において、テーマセッションかワークショップ「認知言語学からの言語進化論」を、各国の認知言語学者と協力して計画したい。(4)本年6月にはすでに外国の研究者を招いての講演会が決定してるが、その他にも内外の研究者を招いて研究会を開く予定である。(5)文献調査によって得た、認知的言語進化論に関連する海外の優秀な研究を翻訳し国内に紹介したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
24年度は全体で50万円の使用計画であるが、(1)講演会開催 10万円、(2)物品購入(パソコン含む) 20万円、(3)旅費 20万円、を使用する予定である。
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