研究課題/領域番号 |
23520583
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
渡辺 秀樹 大阪大学, 言語文化研究科(研究院), 教授 (30191787)
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研究分担者 |
大森 文子 大阪大学, 言語文化研究科(研究院), 准教授 (70213866)
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キーワード | メタファー / 動物名 / 直喩 / 句動詞 / ネットワーク / 構造性 / 意味変化 / 辞書 |
研究概要 |
2013年度には、英国図書館を訪問して、2011年度に閲覧した作品の転写原稿を再び校訂・修正し、既発表論文で証明した英語動物名の比喩義のネットワークが実際に意識されて創作されたその19世紀の英国児童向け寓意詩の本文校訂・翻訳を行って、登場する鳥名の比喩義の一覧表を作成した。共同研究者大森文子は、その英語本文と翻訳に基づいて本作品中の鳥名のメタファーの構造性について論文を執筆した。英語身体部位名のメタファーについては、古英詩における「手」を意味する類語hand, mund, folmの使い分けについて2012年度に国際学会で口頭発表した原稿を基に英文論文を執筆し、外国の出版社から刊行した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
既発表論文で証明した英語動物名の比喩義のネットワークが実際に意識されて創作された19世紀の英国児童向け寓意詩の本文校訂・翻訳を行って、登場する鳥名の比喩義の一覧表を作成し、メタファーの構造性を証明することができた。英語動物名の人間比喩義について、既に、鳥名、イヌ科、ネコ科、魚介名、爬虫類両生類名、昆虫名まで調査と論考を終えているので、今後は転用動詞や形容詞の比喩義に集中することができる。
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今後の研究の推進方策 |
2014年度前半にサバティカルを取って研究に専念し、著書『英語動物名メタファーのネットワーク』(仮題)の出版に向けて、既発表論文16点で示した犬科、ネコ科、昆虫類、鳥類、魚介類、爬虫両生類の動物名の人間比喩義を再検討し、それぞれの類内での対義と類義、上位者と下位者の組み合わせが別の類内にも存在すること、つまり比喩義の類内と類間の構造性の存在を証明すべく、原稿の執筆を行う。これまで体系的な研究がされていない動物名を含む句動詞の類義・対義関係について、集中的に用例の再収集と分類を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究室設置のパソコンがウィルスのために調子が悪くなり、2013年度に新型パソコンを購入予定であったが、メンテナンスと修理を受けた結果、使用できるようになったため、パソコンを購入しなかったので、物品費が多く残った。 上記の研究室設置のパソコンの調子が2013年度末に悪くなり、文書作成中に故障が頻繁におきるため、作業の能率化を図ってWindows8搭載の最新型パソコンを購入する。このため設備費に25万程度を見込んでいる。また、夏季休暇中に英国図書館に再度赴き、19世紀児童向け動物寓意詩で既に校訂済みで翻訳とメタファー論考を発表した作品を再度借り出して閲覧し、本文の確認を行う。この外国出張費を60万円程度見込んでいる。
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