平成25年度はメタ表象と日本語の言語現象との関係と韓国語のメタ表象現象との比較を主におこなった。前者に関しては、これまでの成果を、Dublin City UniversityのCentre for Translation and Textual Studiesにおいて'Higher-level Explicatures in Japanese and English'というタイトルで2013年9月9日招待講演をおこなった。その機会を利用して、Dublin City Universityの笹本涼子氏と今後の共同研究の可能性について議論した。また、啓蒙も兼ねた『ことばを読む、心を読む 認知語用論入門』を開拓社から出版し、そこでは、本研究の理論的背景となっている関連性理論の概要と、英語との差を交えた日本語のメタ表象現象の説明にそれぞれ1章を割り当てた。 後者に関しては、同じく関連性理論に通じているInha大学のNoh教授を日本に招待して、2月11日、メタ表象現象について日本語と韓国語を比較するワークショップをおこなった。それまでに何度もemailで意見を交換し、最終的に'Metarepresentational Phenomena in Japanese and Korean'のタイトルで共同口頭発表をしたが、audienceからは好意的な意見が相次いだ。 上記ワークショップの成果を、昨年度本研究について示唆をいただいた、ハワイ大学のO'Grady教授との面談で説明したところ、賛同を得るとともにふたたび今後の研究についての有益な助言をえることができた。 以上の研究実績を踏まえて、ワークショップでの発表論文は加筆修正して雑誌等に投稿する予定である。
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