当研究は,古英語・中英語における語序変化の変化の要因として韻律論・意味論的な諸相を探索することを目標に,古英語期のアルフレッド・サークルによる韻文・散文,後期古英語期のアルフリッチによる散文,初期中英語期の『ピータバラ年代記』の散文,頭韻による韻文について,テキストを調査し,分析を行った. 古英語韻文で頻出する V1 語序は散文においては意味論的な要因による語序であり,韻文における韻律と一致すると分析された.中英語の頭韻韻文では衰退が散文でも消滅した原因となった.また,V3 語序は意味的な要因によるものであるが,後期古英語では優勢であった V2 語序を SV(O) 語序に変化させたと分析される.
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