研究課題/領域番号 |
23520592
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
佐藤 弘明 専修大学, 商学部, 教授 (60187226)
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キーワード | 国際情報交換 / 構文文法 / FrameNet / 英語基本構文 / フレーム意味論 / データベース |
研究概要 |
平成22年に提出した本研究の申請書「様式S-1-8」の「今回の研究計画を実施するに当たっての準備状況及び研究成果を社会・国民に発信する方法」の欄には,「[本研究成果は]構文研究の専門家以外の英語教員も活用できる。その結果,日本の高等学校や大学の英語教育を通じて,その成果が広く日本の社会にも貢献できる。」と記載した。これを実現するために,平成24年度はFrameNetと構文文法に関して基礎的な学習の出来るソフトウェアの開発に着手した。 このソフトウェアを開発するために,研究代表者は,2012年7月31日より8月28日までの期間,本研究の研究協力組織Berkeley FrameNet Project(以下,BFN)が研究活動を行っているInternational Computer Science Instituteを訪れた。ここでの作業では,言語学者Charles Fillmore氏がAssociation for Computational Linguistics's Lifetime Achievement Awardを2012年7月11日に韓国・済州島で受賞した際の演説(https://www.icsi.berkeley.edu/icsi/news/2012/07/fillmore-lifetime-achievement-award)に,日本人が理解しやすいように完全な英語字幕を付加した。さらに,この英語字幕の全文検索機能を持つソフトウェアをBFNの研究者と共同で開発した。 研究代表者は,コンピュータ言語JavaScriptとPythonを利用して,英語教育などの関連分野での再利用がしやすい形式で本研究のソフトウェアの開発をしている。その成果を,大学英語授業実践報告書「英文聞き取り小テスト自動作成・採点システムsrtXの開発」で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では,英語構文検索用のソフトウェアを開発してきたが,このようなソフトウェアの利用価値を分かりやすく解説する努力をしてこなかったため,研究成果が少数の研究者にしか利用されず,「研究成果を社会・国民に発信する」点で遅れていた。平成24年度には,この問題を解決するために,FrameNetと構文文法の基礎的な学習の出来るソフトウェアの開発に着手した。このソフトウェアにより,より広く「研究成果を社会・国民に発信する」ことが可能となり,当初の研究目的がほぼ達成できる見通しが立った。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度以降は,英語構文検索用のソフトウェアとFrameNetと構文文法の基礎的な学習の出来るソフトウェアをさらに使いやすいように改良する作業を,引き続きBFNの研究者と共同で行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度に開発を始めたソフトウェアは,演説ビデオを制御する機能を持つ。容量の大きなビデオ・データをサーバー用コンピュータから配信するために,高性能のサーバー用コンピュータを購入する。そのための費用に研究費を使用する。
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