研究課題/領域番号 |
23520595
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研究機関 | 津田塾大学 |
研究代表者 |
島村 礼子 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (80015817)
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キーワード | 「形容詞+名詞」形 / 語と句 / 接辞の有無 / 動作主名詞 |
研究概要 |
昨年度から「形容詞+名詞」形を中心に、句と語の相違点について考察を継続している。日本語では、形容詞は語内部では語幹の形で用いられるが、句では連体形の屈折語尾が付加される。しかし一方、英語では形容詞は句の内部であろうと語の内部であろうと屈折接尾辞は付加されず、形態に違いが認められない。このため、英語では「形容詞+名詞」形が複合語内部に生起する場合であっても、例えばsmall car driverのsmall carのように、句であるか語であるか、俄には判別しにくいものがかなり存在する。そのような「形容詞+名詞」形でも、語内部に生起する場合にはタイプ(類)を表すので、したがって、上記の形における形容詞は、主要部名詞の表すタイプの下位タイプ(下位類)を導くという意味で分類機能を果たすと考えられる。「形容詞+名詞」形の他にも、非主要部が分類機能を果たすと考えられる複数の形に関して、それらの形に共通の特徴を考察した。 さらに、日本語の動作主を表す名詞に関して、「-手」「-人」「-者」「-家」などの接尾辞が付加された名詞と、接尾辞の付加されない転換名詞(例: 「小説書き」の「書き」)との相違点とその理由、および、接尾辞 -erの付加された英語の動作主名詞と、「-手(テ)」の付加された日本語の動作主名詞との相違点と、その理由について考察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
動作主を表す名詞に関する研究は、成果を平成24年度中に論文として完成させて投稿する予定だったが、現在まだ原稿の段階であり、投稿までにいたらなかった。
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今後の研究の推進方策 |
動作主を表す名詞に関する研究は、論文を完成させ、投稿する。また、「形容詞+名詞」形を中心に、非主要部が分類機能を有する表現に関する研究は、平成25年度末までに著書として出版の予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
論文および著書完成のための物品費(図書資料費など)、旅費、謝金などに使用予定である。
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