研究課題
英語及びその他の言語の「多音節語句・表現」に於ける「プロソディー」分析とそれに関連する各種の音韻現象について、研究代表者の提案する新理論(Yamada(2010))を元にこれまでの研究成果を継承しつつ、その理論的解明を更に進展させた。具体的には、上記Yamada(2010)で提案された「位置関数理論」が各種の英語の多音節語句・表現に適用できることの検証を行うと共に、多様な英語の音声的・音韻的現象を単一の理論で取り扱うための方向性を探った。現在の「位置関数理論」は英語の副次強勢配置現象を基礎データとして構築されているが、多音節語句・表現を分析するには、先ずは主強勢の配置のためのパラメータとして働く位置関数を確定する必要があった。結果として、主強勢配置の分析には、副次強勢配置で必要とされる16個の位置関数のみを使うだけでは不十分で、副次強勢配置の分析で用いられた「Heaviness」に加えて、「Bounded Binarity」と「Rhythmic Adjustment」を措定する必要性が示された。更に、主強勢配置に関しては、この3つの「位置関数」の発動の初期条件として、「韻律外性」の設定が必要であることが分かった。しかしながらこの「韻律外性」そのものを「位置関数」の一つとして規定できる可能性については、より一層の探究が必要となろう。本研究では、多様な英語の音声的・音韻的現象を分析するために、実データを広範囲に収集して分析を進めた。その結果、これらの現象を説明するためには、現在の「位置関数理論」の設定だけでは、まだ不十分であり、この理論を更に拡大し、英・米・豪・仏・印等で使用される様々な英語の語句・表現での音声的・音韻的現象を捉えるための新たな設定が必要なことが明らかとなった。
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Proceedings of the 2013 International Conference on English Linguistics: Past, Present & Future
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