研究課題/領域番号 |
23520605
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研究機関 | 鶴見大学短期大学部 |
研究代表者 |
小倉 美恵子 鶴見大学短期大学部, 歯科衛生科, 教授 (60074291)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 複雑適応体系 / 語彙体系 / ネットワーク / 曖昧性 / 語順進化 / 左方前頭葉前部 / 多義語 |
研究概要 |
複雑適応体系に内在する基本原理の観点から、1 語彙体系の歴史的発達とsmall-world network の関係を探る。2 光トポグラフィーを用いて、言語進化における曖昧性の排除と脳の機能を明らかにする。1 語彙体系の歴史的発達とsmall-world network:Historical Thesaurus of the Oxford English Dictionary (Christian Kay et al., Oxford, 2009)の全動詞について、多義語、同義語、初例、最終例の年代、普遍的概念構造を反映するか否かの情報を盛り込んだdatabaseを作成した。2 曖昧性の排除と言語進化:本研究では、多義語、同音異義語、同義語、中央埋め込み文といった言語の曖昧性が認められる現象には、左方前頭葉前部での大きな負荷、つまり活性化が認められることを、血流の変化をリアルタイムで画像化する光トポグラフィーで実証する。23年度はこれまでほとんど研究が行なわれていない多義語の意味の曖昧性による左方前頭部前部での活性化と、文脈が与えられることによる曖昧性の排除を、英米人、日本人6名の被験者で実証した。更に多義語の曖昧性と語順進化の関係を探った。SOV語順では、先行するO(目的語)により文脈が与えられるため、V(動詞)の意味が規定されるので曖昧性は生じないが、SVO語順では、V(動詞)の後で一時的に曖昧性が生じる。このことから言語が創発した時の語順はSOVの可能性が高いことを示唆した。また関係詞にみられる回帰性は、歴史的には並列文から発達し、それが普遍的機能である階層性による配置により生じたものであることを示した。その過程で曖昧性の原因となる中央埋め込み文が回避され、OV語順からVO語順が生ずることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1 語彙体系の歴史的発達とsmall-world networkHistorical Thesaurus of the Oxford English Dictionary の全動詞についてのdatabase作りを完成する予定であったが、やや予定より遅れている。2 曖昧性の排除と言語進化予定どおりにパイロット実験を行なうことができた。
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今後の研究の推進方策 |
1 語彙体系の歴史的発達とsmall-world networkdatabase 作りを完成し、分析を始める。2 曖昧性の排除と言語進化多義語の曖昧性の実験を更に続けて行う。更に同音異義語、同義語、中央埋め込み文での曖昧性と左方前頭葉前部の活性化を光トポグラフィーで実証する。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験のために、費目のその他として予算をとっておいたが、機器の使用料が予算よりも少額で終わった。その残金と今年度の予算により、語彙体系の歴史的発達のデータ分析と実験を行う予定である。
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