研究課題/領域番号 |
23520613
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
土屋 順一 東京外国語大学, 留学生日本語教育センター, 准教授 (10262213)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | キーボード入力 / 誤用分析 / コーパス / 文法 / 日本語作文 |
研究概要 |
2011年7月に岩手大学で6名、新潟大学で7名の留学生と3名の中国帰国者、名古屋工業大学で13名、和歌山大学で3名、10月に名古屋工業大学で3名の留学生に対するキーボード入力調査と面接調査をおこなった。2012年3月に日本学生支援機構大阪日本語教育センターで、5名の留学生に対する面接調査(次年度のキーボード入力調査のための予備調査、サウジアラビア国籍のウイグル人をふくむ)をおこなった。そのほか研究代表者の所属機関でも調査をおこない、合計47名のキーボード入力データをえた。 先行研究から蓄積してきたキーボード入力調査のデータ755件を対象として、文法範疇のタグの第一として連体修飾に関するタグをつける作業に着手した。また、実験的に、格助詞+「の」のかきかえに注目して分析をはじめた。たとえば、「で」「の」「での」相互間のかきかえや「での」をふくむ文の正用・誤用の発生率には、母語、学習歴によるちがいが、あきらかにあり、連体修飾の難易の傾向がこのデータから推測できるのではないかと予想される。 中間報告としての研究成果を2012年8月開催予定の第24回日本語教育連絡会議(ドイツ・エアフルト)で「留学生による日本語作文における格助詞+「の」のかきかえの傾向」というタイトルで発表する予定であり、11月開催予定の日本語・日本語教育国際シンポジウム(香港)で発表するために投稿の準備をすすめている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者と協力者がおこなう、データベースの整備作業は順調に進展したが、他機関の研究者にモニターを依頼する件については、東日本震災の影響もあってややおくれている。
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今後の研究の推進方策 |
国内の機関に出張して、キーボード入力調査を続行し、データの総数を800件、31万字程度にふやす。データベースの文法範疇の中で、連体修飾に関する分析を先行させて、作業をおこなう。4~6月は代表者ひとりですべての作業を、7月以降は代表者がデータの分類を、協力者がデータの入力をおこなう。2012年8月開催予定の第24回日本語教育連絡会議(ドイツ・エアフルト)で「留学生による日本語作文における格助詞+「の」のかきかえの傾向」というタイトルで発表する予定である(私費)。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度、他機関の研究者とのうちあわせ、モニター依頼が順調にすすまなかったため、予算執行も次年度にずれこんでいる。7月から3月まで週2日協力者がデータの入力をおこなうために謝金が50万円程度必要である。11月に香港で開催される学会で研究成果を発表するための海外旅費が15万円程度必要である。データ収集のために3回程度国内出張を実施する。そのほかにデータ保存関連で消耗品が必要となる。
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