研究課題/領域番号 |
23520618
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
河野 俊之 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (60269769)
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研究分担者 |
小河原 義朗 北海道大学, 留学生センター, 准教授 (70302065)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 音声教育 / 自己モニター / 教師の成長 / 実践研究 / e-learning |
研究概要 |
自己モニターを活用した音声教育の方法について,講演や説明会を行い,その方法や意義などについての理解を図った。9月に台湾高雄・台湾台中,台湾台北において,交流協会主催の教師研修会を行った。10月には東京において,説明会を行い,自己モニターを活用した音声教育を実践する教師を募集した。3月には,韓国ソウルにおいて,自己モニターを活用した音声教育を実践する教師に対する説明会を行った。これらにより,現在,台湾,横浜,大阪,韓国の日本語教師が協力者として,自己モニターを活用した音声教育を行い,その実践について報告がなされている。例えば,日本国内では,学習者の母語が多岐にわたるため,問題となる音声の違いが大きく,学習者によっては,自己モニターを活用した音声教育の意義が感じられないこと,1音ではなく,単語や文を用いるとその問題が軽減できるのではないかと考えられること,海外では,ネイティブ日本語教師が,学習者が母語で話す「独自の基準」を理解することが難しいことがあることなどが分かった。また,日本語学習者の音声の誤用についても,韓国語話者,中国語話者,タイ語話者などの音声を収集している。これは,母語別の問題点を踏まえた音声教育に役立てる予定である。また,e-learning教材について,モデル音声の採録と,実践で収集された問題点などを踏まえ,より効果的でユーザーフレンドリーになるような改善を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請者だけでは,なかなか進展しなかった,自己モニターを活用した音声教育の実践に関する研究について,研究協力者を募集することで,徐々にではあるが,進展されることができた。ただし,教授法ではなく,教師の問題で,自己モニターを活用した音声教育がなかなか普及したいことも分かった。これについての解決方法も今後考えていく必要がある。e-learningの改善については,方法などについて検討中であり,まだ十分ではないと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
自己モニターを活用した音声教育を実践してもらい,教師がどのような問題点を感じるかなどを明らかにし,改善することが重要である。また,e-learningの改善のためには,アンケート調査などの他に,「独自の基準」をより多く収集することが必要である。これらのためには,研究協力者として,自己モニターを活用した音声教育を実践してくれる教師をさらに募集する必要があり,そのための説明会などをさらに行っていく。また,授業やe-learningの活用など,実践の記述などを綿密に行い,改善していく。教師用指導書の作成及びe-learningのさらなる改善を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
協力者を募集するための説明会を国内外で開催するために,旅費を使用する。実践及びその記述,検討のために,ビデオカメラなどの物品費や旅費を使用する。e-learningの構築のために謝金や物品費を使用する。
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