セミナー講師を3件行った。6月に,韓国の慶熙サイバー大学で,韓国人日本語学習者を対象に,ザ-ジャなどの聞き分け,言い分けに関する模擬授業を行い,それを撮影し,大学内外で見られるようにした。8月に,アメリカ合衆国のミドルベリー大学で,アメリカで日本語を教える日本人日本語教師に対して,音声教育方法についてワークショップ形式で講演を行った。特に,ミドルベリー大学では,研究代表者が著者の一人である『1日10分の発音練習』(くろしお出版)を使用しており,その効果的な使用方法を知らせることができた。2月に,国際言語文化アカデミアにおいて,「日本語の音声」という題目で,主に地域のボランティア日本語教師に対して,自己モニターを活用した音声教育についてワークショップ形式で講演を行った。 研究発表を4件行った。いずれも,上級,超級学習者が音声学習をする際に,どのように自己モニターが行われているかを分析したものである。ただし,特にアクセントについては,モデル音声と学習者が発した音声のアクセントを学習者自身で比較し,分析することはできるが,教室外で,日本語母語話者の音声を聞いて,そのアクセントと学習者自身のアクセントの異同を判断するのは難しいという問題があることが分かった。 また,moodleをプラットフォームとしたe-learning教材のさらなる開発を行った。 そして,最大の研究実績として,『音声教育の実践』(くろしお出版)を2月に出版した。これにより,自己モニターを活用した音声教育をはじめとして,日本語教育における音声教育の発展が大きく期待できる。
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