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2011 年度 実施状況報告書

バイリンガルサポーターの支援における相互構築コミュニケーションに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23520623
研究機関信州大学

研究代表者

徳井 厚子  信州大学, 教育学部, 准教授 (40225751)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードバイリンガルサポーター / 関係構築 / コミュニケーション / 地域 / 日本語・母語支援 / 社会参加
研究概要

本研究は、バイリンガルサポーターが地域や学校における支援でどのように言葉や心理面でのサポートを行っているのか、どのように周囲との関係構築を行っているのか、当事者ならではの役割をどう果たしているのか、日本人サポーターとは異なった役割をどう果たしているのかについてインタビューを通して実態を調査し、バイリンガルサポーターが地域や学校で果たしている役割や期待、問題点や課題を明らかにすることを目的としている。 今年度は、地域に住む外国籍住民当事者側の意見を知るために、まず地域における外国籍住民意見交換会に参加し、そこで語られる当事者の語りを分析し、バイリンガルサポーターの役割の可能性について考察した。分析からは、1)情報提供や多言語サービス等の喫緊かつ具体的な要望 2)地域の一住民としての要望 2)自己啓発の場の必要性や主体的に社会参加する当事者としての意見が挙げられたことを明らかにした。また、これらの分析から、バイリンガルサポーターには1)多言語での情報提供 2)問題解決のサポート 3)問題解決の連携 4)一生活者としてのサポート 5)主体的な社会参加の当事者へのサポートという役割が求められていることを明らかにした。 また、バイリンガルサポーターへのインタビューを行い、対人レベルのコミュニケーションという観点から分析し以下を明らかにした。1) 信頼関係がコミュニケーションの前提となっている。2)傾聴を重視している。3)問題を視覚化する等の工夫をしながら相手と共に意味を再構築し問題を解決している。4)感情ではなく事実のレベルを重視し問題解決を行っている。5)場面に応じて言語を使い分けている。6)自身の自己効力感が支援の支えになっている。7)「頼り過ぎの関係」等、支援の落とし穴についても認識している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度の研究は、概ね順調に遂行している。まず、関連分野の先行研究の文献調査を行い、整理を行った。また、地域における外国籍住民意見交換会に出席し(計4回)、当事者の語りについての分析を行い、バイリンガルサポーターの役割の可能性を見いだした。その成果を国内で研究発表を行い、論文にまとめた。 また、国内においてバイリンガルサポーターへのインタビュー調査を行い、データを分析し、バイリンガルサポーターのコミュニケ―ションストラテジーという観点からまとめた。また、この成果について海外の大学において招聘講演を行い、参加者と意見を交換した本年度の目標は概ね達成しているが、さらにインタビュー調査の継続および理論的考察を行い、研究成果を発表していくことが必要である。

今後の研究の推進方策

1  国内において、バイリンガルサポーターへのインタビューを継続する。2 相互構築コミュニケーションの観点から分析の観点を増やし、インタビューデータの分析及び考察を進め、バイリンガルサポーターの役割を明らかにする。3 学会等での口頭発表、論文発表を行う。

次年度の研究費の使用計画

前年度は当初計画に見込んだよりも安価に研究が完了したため、次年度使用額が生じた。次年度の使用計画は以下の通りである。 1 前年度に引き続き、インタビュー調査を行うため、旅費およびインタビュー謝金を使用する。2調査データの書き起こし、分析を行うため、データ書き起こし料を使用する。3学会発表を行うため、国内外への旅費を使用する。4さらに必要な参考研究について文献収集を行うため、図書購入費用を使用する。なお、前年度未使用分については、学会発表のための出張旅費にあてる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 外国籍住民意見交換会にみる当事者の声とバイリンガルサポーターの役割2012

    • 著者名/発表者名
      徳井厚子
    • 雑誌名

      信州大学教育学部研究論集

      巻: 第5号 ページ: 11-22

    • URL

      http://hdl.handle.net/10091/15775

  • [学会発表] バイリンガルサポーターの支援のコミュニケーション―インタビュー調査から2012

    • 著者名/発表者名
      徳井厚子
    • 学会等名
      The 2nd International Symposium of the Department of Asian and African Studies(招待講演)
    • 発表場所
      University of Ljubljana
    • 年月日
      2012,3,16
  • [学会発表] 当事者の「声」にみる「共生」の意味づけ―外国籍住民の意見交換会における「語り」に注目して2011

    • 著者名/発表者名
      徳井厚子
    • 学会等名
      多文化社会実践研究・全国フォーラム 第5回
    • 発表場所
      東京外国語大学
    • 年月日
      2011,11,27

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公開日: 2013-07-10  

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