研究課題/領域番号 |
23520625
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
矢崎 満夫 静岡大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (50432191)
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キーワード | アニメ / 日本語学習活動 / 年少学習者 / 動機づけ / 知識の活用 / ストラテジー開発 |
研究概要 |
平成25年度には、日本のアニメを活用した日本語学習活動の手法(『アニメで日本語』)を紹介するために開発したオリジナルアニメ作品『The SEASONS ~ニッポンの空 Nippon no Sora~』(日本語音声)の映像データに、6つの外国語(英語・中国語・韓国語・インドネシア語・スペイン語・ポルトガル語)による字幕挿入作業を進めた。英語は世界の人々に幅広く視聴してもらうためであり、中国語・韓国語・インドネシア語は、日本語学習者数上位の国々の言語であることから字幕用言語として選定した。また、国内の年少日本語学習者にはスペイン語とポルトガル語の話者が多いことから、この両言語の字幕も準備することにした。 日本語音声を各言語に翻訳し、それらを字幕として映像データに挿入する作業を進める一方で、当該オリジナルアニメの「作品としての面白さ」を評価してもらうために、大学学部留学生および外国人学校の生徒(小学校5年生~高校3年生)を対象に、当該アニメの視聴と事後のアンケート調査を実施した。その結果、どちらからも概ね「アニメ作品として面白い」という評価が得られていたことがわかった。 以上の当該オリジナルアニメ開発の経緯に関する論考については、平成25年度の静岡大学国際交流センター紀要において発表することができた。また、26年度に開催される異文化間教育学会においては、主に年少学習者からの評価を交えた研究成果の発表を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
オリジナルアニメを開発後、海外に向けた『アニメで日本語』の普及活動を行うために6言語(英語・中国語・韓国語・インドネシア語・スペイン語・ポルトガル語)による字幕挿入作業を進めたが、予想以上にその翻訳業務その他に時間を要した。また、字幕をつけたオリジナルアニメ作品を用いて、海外の年少者を対象とした日本語教育現場において、『アニメで日本語』の授業実践や教員向けワークショップを実施する予定であったが、諸事情により、海外への渡航を計画どおり遂行することができなくなったことから、研究の達成度に遅れが生じる結果となった。
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今後の研究の推進方策 |
ようやく6種類の外国語字幕のついたアニメ映像資料が完成したことから、今後はそれらを用いて『アニメで日本語』の日本語学習活動の普及に努めていく。当初13のみだった日本語学習活動のためのアイデアは、実践を通じて現在では40ほどまで開発を進めることができてきている。今年度中には、日本のアニメを活用した日本語学習活動のアイデアを50に増やし、研究成果のまとめとして公表したいと考えている。また、国内外の年少者日本語教育現場において、オリジナルアニメを用いた授業実践の実施や教員向けのワークショップの開催、ウェブサイトによる発信等を行って、『アニメで日本語』を幅広く紹介するとともに、その有用性の検証を試みる所存である。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究の遅れによって研究期間を1年間延長したため、25年度に支給された80万円のうちの23万円分を26年度に繰り越した。 オリジナルアニメを使った授業実践を行う等、『アニメで日本語』の有用性を検証することを目的として、主に国内外の年少者日本語教育現場等への旅費に使用する予定である。
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