最終年度(平成25年度)は、平成24年度の課題であったフレンド派宣教師の平和事業と日語学校の関係性について解明する研究に着手した。そのため、平成24年度に収集したフレンド派宣教師の史料の分析をまず行った。フレンド派宣教師の史料については、先行研究と照らしながら目録を作成した。次に、ハーバーフォード大学のクエーカー・コレクションが所蔵しているギルバート・ボールズの個人文書やフレンド派ミッションの年次総会記録、スワースモア大学の平和文庫が所蔵するアメリカ平和協会資料を収集した。 ギルバート・ボールズに関しても先行研究に照らしながら、収集した文書の整理を行った。その結果、ギルバート・ボールズが日語学校の創設に寄せた思いが明らかになった。ギルバート・ボールズは息子達に書簡を残しており、日語学校に対する思いを書き残していた。ボールズは、日本文化研究所の創設を企図していた。ボールズのその思いは、終生かわらないものであった。 日語学校で理事を勤めた時、ボールズは具体的にその思惑を学校改革にうつした。実際に発足した日語学校は、宣教師の語学学校としての側面が強かった。しかしボールズは、日本文化を研究する場にするために、日本研究という講座を開講し、新たな役割を付加させていった。日語学校が、昭和5年に日語学校から日語文化学校に学校名を変更したのは、ボールズが日本文化研究を充実させていった結果であるといえる。 今後の研究計画として、最終年度で収集したフレンド派ミッションの資料を用い、とくにアメリカ平和協会の事業について学会で発表していきたい。
|