研究課題/領域番号 |
23520636
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松村 瑞子 九州大学, 言語文化研究科(研究院), 教授 (80156463)
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研究分担者 |
因 京子 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 教授 (60217239)
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キーワード | ポライトネス / 配慮表現 / わきまえ / ポライトネス・ストラテジー / コースデザイン / タスク |
研究概要 |
国内外の大学における授業実践,観察,聞き取り調査の実施(平成24年4月~25年3月) (1)英語を媒体とした授業を行うために,既に日本語で作成されている教材および教師用手引書の必要部分を英語に翻訳した.それを用いて授業を行い,英語版教材・教師用手引書を作成さいた.(松村) (2)同様に,韓国で授業を行うために,仁川大学校の黄美玉教授および梨花女子大学の本多美保講師に依頼して,日本語の教材および教師用手引書のうち必要部分を韓国語に翻訳してもらうと同時に,特に韓国人に日本語ポライトネスを指導する際の注意点を加えてもらった.さらにこの教材を用いて授業を行ってもらい,教材の内容・手引書に修正加筆を行った.(松村) (3)同様に,中国人留学生(李ギギ大学院生),中国大連外国語学院(ヨウエンレイ准教授),中国上海外国語大学,台湾大葉大学(黄英哲准教授)に依頼して,日本語の教材および教師用手引書のうち必要部分を中国語に翻訳してもらうと同時に,特に中国人・台湾人に日本語ポライトネスを指導する際の注意点を加えてもらった.さらに,この教材を用いて授業を行ってもらい,教材の内容・手引書に修正加筆を行った.(松村) (4)さらにベトナム語,タイ語,マレー語への翻訳を行うための準備を行った.(松村) (5)『言語と文化の対話』『東アジア日本語・日本文化研究』において,この教材および教師用資料についての論文を発表した.中国上海外国語大学にて,平成25年3月にこの教材についての学会発表を行った.(松村,因)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね順調に進展しているが,昨年の秋以来の日中関係および日韓関係のために,予定していた学会(平成24年9月の大連外国語学院における日本語教育学会)および仁川大学校で行う予定であった授業は行うことができなかった.
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今後の研究の推進方策 |
本研究は,これまで研究代表者および研究分担者が行ってきた研究「日本語の談話におけるスタイル交替の実態とその効果についての分析」「談話分析に基づく日本語ポライトネス指導教材開発」を基に,日本語ポライトネス技術訓練方法を開発し,国内外の大学での実用化を目指すものである. 本研究課題では,(1)既に開発した教材を,内容面および各国の事情を考慮の上,さらに充実させる,(2)作成した教材を国内外の教師が効率的に使用することができるように,日本の社会文化的特徴,日本語のポライトネスの特徴,および他の言語との相違等をまとめた教師用手引き書を作る,(3)さらに,作成した教材を海外で使用するためのコースデザインと支援リソースを提案するという目標をたてた.平成24年度までに(1)(2)が完成しており,平成25年度では(3)を行っていく予定である.これが完成すれば,今後はポライトネス指導を含めた語用論的技能涵養のための教育方法開発を行っていく.
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次年度の研究費の使用計画 |
各国語版『実践日本語ポライトネス指導教材』『教師用手引書』の完成および国内外の関係機関への提供(松村,因) (1)平成25年度は最終年度にあたるため,先ず前年度まdねい完成させた教材,手引書に加え,これを用いて授業を行うためのコースデザインを完成させる. (2)完成した教材,手引書,コースデザインを,国内外の大学で試用し,修正の必要がある場合は修正を行う. (3)(2)が終了後,教材・手引書・コースデザインを,国内外の関係機関に送付する. (4)それと同時に,この教材およびコースデザインを用いて日本語ポライトネス指導を行う際の利点および改善点などを含めた学会発表を国内外で行う.
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