研究課題/領域番号 |
23520637
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
松本 久美子 長崎大学, 留学生センター, 准教授 (70295111)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | グローバル人材育成 / 大学の国際化 / 留学生交流 / 会話パートナープログラム / 短期語学研修 |
研究概要 |
本研究では留学生交流を通した大学の国際化およびグローバル化時代に求められる人材育成という観点から、留学生交流推進の核となる学部教育レベルでの派遣促進のための教育方法(主体的な学びの場)を提言し、その可能性と有効性の検証を試みるものである。具体的には長崎大学が実施している短期海外語学研修プログラムと学内における留学生との交流プログラム(会話パートナープログラム)を教育的配慮を持って連携させ、両プログラムに参加した日本人学生に対して質問紙調査および面接調査を実施・蓄積し、そのデータをもとにそれぞれのプログラムの効果を分析する。 本研究は平成23年度から4年間の期間を設けて行うものである。当該年度(23年度)においては本研究の目的を達成するために、主として以下のような調査を実施した。調査結果は分析データとして入力した。(1)韓国語研修(ソウルの協定校で実施)に参加した日本人学生に対する質問紙調査の実施(研修前および研修後)、(2)会話パートナープログラムに参加している日本人学生に対する質問紙調査の実施(この調査は23年度後期に来日した留学生の会話パートナーとして活動した日本人学生を対象に2月に実施した。)(3)韓国語研修参加者で研修後、韓国の協定校に交換留学を決めた学生3名に対する面接の実施(渡航前と渡航直後の2回実施した。) 上記調査に加え、海外の大学のおける会話パートナープログラム等の実施状況について、インターネットによる情報収集を行うとともに、EAIE年次総会(デンマーク:9月13日~16日)に参加し、調査研究のための情報交換・資料収集を行った。 今年度の調査結果から、調査対象プログラムに参加した学生は交換留学への意識の高まり、視野の広がり等を実感していることがうかがわれた。これらの調査結果が国際教育交流の分野における研究の発展に少なからず寄与するものと思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は平成23年度から4年間の期間を設けて行うものである。当該年度はその初年度に当たり、本研究の研究調査対象である2つのプログラム(海外短期語学研修:韓国語および会話パートナープログラム)への参加日本人学生に対する調査はほぼ当初の計画通りに完了した。また、これに加え、韓国語研修参加者で研修後、韓国の協定校に交換留学を決めた学生3名に対して渡航前および渡航直後に面接調査を実施できた。この面接調査は次年度に予定していたものであるが、留学が23年度中に決定したため、追跡調査の一環として実施した。 ただし、会話パートナープログラム参加者に対する質問紙調査の回収率が予想より下回っていた。この点を改善する余地があるが、全体として研究の目的を達成するための研究計画実施についてはおおむね順調に進展しているといっていいと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は4年間の期間を設けて行うものである。本研究では研究課題を遂行するために、日本人学生の海外派遣プログラムである短期語学研修(韓国語)と留学生と日本人学生の交流プログラムである会話パートナープログラムを研究調査対象とし、この2つのプログラムに参加した日本人学生に対する質問紙調査と面接調査を実施する。研究初年度と同様に24年度・25年度においても、この調査実施によるデータ収集と蓄積を研究計画の中心とする。最終年度には蓄積されたデータをもとにグローバル人材育成の観点から日本人学生の意識変容に焦点を当てて分析を行い、プログラムの効果を検証する。 これに並行して、国内外の国際教育交流に関係する学会・団体が主催する会議等に出席し、資料収集および情報交換を行うとともに共同研究者を募り、将来的な研究の発展の足掛かりとする。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費は100万円である。これに23年度の残額2766円を足すと、1002766円となる。23年度の残額については少額であったため、その額で購入すべきものがなく、24年度に持ち越すこととした。 23年度の研究費の使用計画は以下のとおりである。(1)設備備品費 180000円 (2)消耗品費 100000円 (3)旅費 420000円 (5)謝金等 200000円 (6)その他(海外会議参加費等)100000円
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