研究課題/領域番号 |
23520646
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
保坂 敏子 日本大学, 付置研究所, 准教授 (00409137)
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研究分担者 |
三隅 友子 徳島大学, 学内共同利用施設等, 教授 (20325244)
門脇 薫 摂南大学, 外国語学部, 准教授 (40346581)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 映像作品 / メディアの教育利用 / 体系化 / 授業デザイン / 利用実態調査 / 国際研究者交流 / 韓国:ヨーロッパ:ベトナム:香港 |
研究概要 |
本研究の目的は、真正性の高い日本文化や日本語の学習リソースとして国内外の教師や学習者に期待されている日本の映画・ドラマ・アニメなどの映像作品の教育利用について、(1) 外国語教育における先行研究や国内外の日本語教育現場の実践例を収集し、多面的な分析と考察を通して理論的・実践的に体系化を図ること,(2)それを基に、様々な目的に応じた授業デザインを試みて実践的な検証を行い、映像作品を利用した多様な日本語教育の可能性を究明することの2点である。 平成23年度は研究の第一段階として以下のとおり体系化のための調査を行った。 1.外国語教育における映像作品利用に関する先行研究の調査:(1) 映像作品を利用した外国語教育(英語・韓国語他)の先行研究の文献調査,(2) 映像作品を利用した教育に関わる理論的枠組みの調査 →認知心理学、メディア・リテラシー、・カルチュラルスタディーズ・構成主義、記号学的映像論等 2.映像作品を利用した日本語教育の実態調査と実践例の収集:(1)国内・海外の映像作品を利用した日本語教育の文献調査と収集,(2)国内・海外の授業実施者へのアンケート・インタビュー調査と授業見学 →調査はヨーロッパ、ベトナム、韓国、香港で、授業見学は韓国のみで実施,(3)本プロジェクト・メンバーによる授業実践の実施と成果発表 3.映像作品の授業利用に関わる著作権の調査 調査の結果、海外での映像作品利用は国によって様相が異なり、韓国はヨーロッパやベトナムに比べて非常に盛んで、利用方法も多様であること、また、映像作品利用に関する論文や実践報告は国内外であまり多くないこと等が明らかになった。また,今回の文献調査の結果、日本語や日本語以外の言語教育について500件近い文献のリストが出来上がった。これを本研究の中間報告書として平成24年度にまとめる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では,前述した(1)(2)の目的を達成するために,平成23年度~平成25年度の各年度にそれぞれ以下の目標を設定している。 平成23年度:外国語教育における先行研究の調査と実践例の収集、著作権の調査 平成24年度:先行研究と実践例の分析と体系化 平成25年度:多様な授業デザインの開発と蓄積、成果の公開 平成23年度の目標は、研究目的(1)の前半部分にあたる先行研究や実践例の調査と収集であった。調査は文献調査と海外調査に分かれていたが,研究プロジェクトメンバーで分担して実施した。海外調査については、ヨーロッパと韓国、ベトナム、香港でアンケート調査を行い、韓国ではさらにインタビュー調査、授業見学を実施した。文献調査については、国内だけでなく韓国の日本語教育のものや他の外国語教育のものも調査し、文献リストを作成することができた。よって、平成23年度の研究目的はほぼ達成できたと言うことができるだろう。 平成24年度に実施する分析と体系化のためにリスト化した文献の収集を進めているが、入手が遅れているものもあるので、引き続き文献収集を行う。また、映像利用に関わる著作権の問題も参考資料が少なく、まだ十全の結果とは言えないので、これも引き続き調査を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度の目標は「国内外の映像作品利用の実践例の分析と体系化」で,以下の(1)~(4)のとおり1年目に収集した文献や実践例を分析し、映像作品利用の体系化を進めていく計画である。 (1)実践例の調査・収集と授業実践(H23から継続),(2)収集したデータを「授業名」「作品名」「利用目的」「使い方」等の項目を設定して分析,(3)教育目標のタキソノミー(Bloom 1956)を参考に、客観主義的学習観と構成主義的学習観を共通の大枠として、「話し言葉」「文化」「メディアリテラシー」「構成主義」に分けて授業の目標と方法を分類し、体系化を進める,(4)分類した授業の目標・方法とその枠組みとなる理論との関連付けを行い、映像作品の教育利用に関する理論的・実践的体系化を図る。 年度末には,研究メンバーで分析と体系化の結果を共有するために研究会を開催する。また、1年目の調査の成果について、2012年8月17日~20日に開催される日本語教育国際研究大会2012(名古屋)等で報告をする予定である。 今年度の研究メンバーとその役割は以下のとおりである。<研究代表者> 保坂敏子(日本大学):研究の総括、国内調査、調査データの分析、体系化(メディア・リテラシー担当),<研究分担者> Gehrtz 三隅友子(徳島大学):海外調査、調査データの分析、体系化(構成主義担当)/門脇 薫(摂南大学):海外調査、調査データの分析、体系化(文化教育担当),<連携研究者> 長谷川恒雄(大東文化大学):体系化(話し言葉教育担当)、著作権調査,<研究協力者> 奥原淳子/塩崎紀子/草野宗子(早稲田大学):文献調査の分析(奥原)、体系化(塩崎:話し言葉、草野:メディアリテラシー)
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次年度の研究費の使用計画 |
平成23年度研究費のうち420,202円が次年度に繰越となった。主な理由は、研究代表者が平成23年12月~平成24年1月の間、病気療養のため研究活動を遂行することができなかったためである。また、文献調査において収集した文献が,現在のところ書籍より論文が多く、想定より図書購入の費用がかからなかったことも挙げられる。平成24年度は、平成23年度の繰越分と併せて,以下のとおり研究費を使用する予定である。 <物品費:図書費、消耗品> 先行研究、実践例分析のため、引き続き外国語教育における映像利用に関わる資料や文献、教材を収集する。また、研究遂行に必要な文房具やインクカートリッジなどを購入する予定である。 <国内旅費> 平成24年8月17日~20日に名古屋で開催される日本語教育国際研究大会2012において平成23年度の研究成果を3件発表することになり、出張を予定している。この他、日本語教育学会2012秋季の大会(北海道)等にも応募する予定で、採択された場合は出張旅費が必要となる。また、年度末に東京で研究会を開催するために出張旅費を使用する予定である。 <海外旅費> 前年度に引き続き韓国やヨーロッパで実態調査を実施する予定である。 <人件費・謝金> 調査結果のデータ打ち込みや資料の整理、資料作成のために研究補助のアルバイトを雇用する予定である。また、調査に対する情報提供者や調査協力者、並びに、著作権に関する専門的知識の供与を依頼する予定で謝金が必要となる。 <その他> 文献リスト報告書を作成し、配布することを予定しており、印刷費・郵送費が必要となる。また、年に1度の全体会や作業部会などの打ち合わせのために会合費用を使用する予定である。
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