研究課題/領域番号 |
23520647
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
舘岡 洋子 早稲田大学, 日本語教育研究科, 教授 (10338759)
|
研究分担者 |
池田 玲子 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (70313393)
岩田 夏穂 大月短期大学, その他部局等, 准教授 (70536656)
|
キーワード | ピア・ラーニング / 教材 / 素材 / 教師研修 / 養成 / 協働 / リソース |
研究概要 |
◎教材について:平成24年度は、前年度に引き続き、メンバー各自の実践の中からピア・ラーニングの教材提供を行い、それをまとめる段階に入ってきた。当初考えていたような「リソース集」だけでは、海外では十分使いきれない実態もわかったので、「使用した素材+実践の概要+考察」の形で具体的にどのような工夫をしたのかも提示することとした。漫画、新聞の投書記事、評論文などいろいろなジャンルのものを分担して執筆し、現在、出版という形で社会的に発信できることを準備している。同時に、このプロセスで、実践から立ち上がる理論についても検討を進めている。 ◎研究会の開催について:本科研の代表者および分担者が立ち上げた「協働実践研究会」(http://www2.kaiyodai.ac.jp/~orikeda/index2.html )を本年も開催した(2012年10月20日、2013年3月23日)。本研究会は、ピア・ラーニングを実践、研究する者たちの交流および学びの場づくりとして機能した。 ◎教師研修:教師研修プログラムについては、大きく2つの方向性で進んでいる。ひとつは、海外および国内でのピア・ラーニングの教師研修のワークショップの実施である。海外では、池田・岩田が青島(中国)、メキシコシティ(メキシコ)、池田がウランバートル(モンゴル)、舘岡がバンコク(タイ)で研修を行い、国内では、池田が熊本、舘岡が福岡、愛媛で研修を行った。教師研修のもうひとつの方向は、クローズドメンバーで自らのピア・ラーニングの実践を持ち寄りデータに基づいて検討しあう勉強会である。その実施について準備を進めている。 ◎研究の発信:日本語教育世界大会@名古屋で舘岡が「教師の成長を支えるもの」として、また、池田が「ビジネス日本語の新たな学習デザイン」として、パネルを企画、発表した。その他の発信については、業績欄を参照のこと。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在まで、ピア・ラーニングの教師研修のための教材作成は順調に進んでいる。公開を前提に教材ばかりでなく、その利用の仕方も含め、複数のデザイン案を示す方向で原稿作成を進めている。前年度は授業の記述が十分できなかったが、今年度は、教材の提示と授業の記述を同時に行うことによって、実現できるようになった。 ピア・ラーニングの教師研修については、海外および国内で実施しており、これもおおむね順調に進んでいる。海外での要望も多いため、次年度も引き続き、研修を進める予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
現在、進行中の教材および授業記録の集約を進める。出版の形での公開をめざしており、現在、出版社と相談中である。 また、教師研修も引き続き実施する。今までは要望のあるところで研修を行ってきたが、今後は、研修先に対して、研修後のフォローもしていけるといいのではないかと考えている。具体的には、各地域で協働実践研究会の支部を立ち上げてもらい、それらをネットワーキングすることで、教師たちが自律的に学び合える場をつくっていきたい。
|
次年度の研究費の使用計画 |
教材およびその解説集をまとめるにあたって、アルバイト学生に作業を依頼する予定である。そのために経費を使用する。 また、研修会も積極的に進める。教師たちが自発的につくっている研究会では研修のための予算を十分にもっていない団体も多い。講師の交通費や宿泊費を自前で捻出できない地域、団体などについては、研修の意義がみとめられれば、こちらの研究費を使って研修をする予定である。
|