研究課題/領域番号 |
23520654
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
河合 靖 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 教授 (60271699)
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キーワード | 学習スタイル / 英語による英語の授業 / 外向性・内向性 |
研究概要 |
英語による英語授業の文脈で、学習者の内向的傾向と外向的傾向を識別する質問紙の開発を継続した。初年度に収集した100名分のデータを因子分析にかけたところ、当初予想した構造に分かれなかったので、内向性と外向性が同じ心理要因の両極を表さない可能性を考慮し、まず、内向性と外向性を別々に因子分析にかけてみることにした。学習活動に関する2因子、内気さや社交性に関する性格的な要因2因子、あわせて4因子をそれぞれ抽出した。結果を考察する中で、学習スタイルの中にも変更が比較的難しいものと、教育介入により変更が可能と思われるものに分かれるとする、Curry (1983)のオニオン・モデルを支持するデータであることが見て取れた。内向性・外向性の要因によりこの理論を支持する報告は今のところないと思われる。以上について、Pacific Rim Conference on Education (2012年7月7・8日、北海道教育大学札幌校)で発表した。さらに、内向性・外向性両方のデータを一緒に用いて再度因子分析を行ったところ、「学習での共同作業・グループ活動への嗜好性」、「学習での単独作業・個人活動への嗜好性」、「性格上の外向性・内向性の違い」の3因子を抽出した。学習活動に対する2因子と性格に関する1因子であることから、これはオニオン・モデルを支持すると解釈することができる。これについて、全国英語教育学会愛知研究大会(2012年8月4・5日、愛知学院大学)で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
申請書類では、2年目の計画として、試合をビデオ録画して刺激再生法によるインタビューを実施し、グラウンデッド・セオリーによって学習者の心理的負荷を推察する計画であったが、1年目に完成するはずであった内向性・外向性の質問紙開発が2年目までずれこんだために、インタビューは実施できていない。
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今後の研究の推進方策 |
2年目に収集した、英語による英語授業の前後での、内向性・外向性に関する変化に関するデータを分析し、学会あるいは研究会で発表する予定である。また、2年目に実施する予定であったインタビュー調査を、3年目に実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
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