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2012 年度 実施状況報告書

中・高連携を企図したタスク分析に基づくライティングのシラバス開発

研究課題

研究課題/領域番号 23520662
研究機関筑波大学

研究代表者

久保田 章  筑波大学, 人文社会系, 教授 (30205132)

キーワードライティング / 教科書 / タスク / 中高連携 / 国際情報交換
研究概要

2008年度版の高校英語ライティングの教科書に所収のライティング・タスクを抽出し、Robinson (2001他) のTriadic Componential Frameworkを用いて、a. タスクの複雑さ、b. 難しさ、c. 条件という観点からそれぞれのタスクを分析、分類した。個別のライティング・タスクの分類に比べ、関連するタスクが連続する場合には、当該のフレームワークを用いて後続するタスクの複雑さや難易度を一律に決定することは非常に困難であることがわかった。
また、収集した新課程の中学校英語教科書の約2分の1については、ライティング・タスクを抽出する作業を行った。小学校における外国語活動を受ける形で、中学校の教科書において「書くこと」の指導について相応の変化があることが確認された。
Robinsonの理論的枠組みだけではタスクの関連性を的確に捕捉することが難しいと思われること、および中学校と高校のライティング指導の連携性を重視するという観点から、異なる構成のライティング・タスクを課すというデータ収集の方法を見直した。中学校と高校のそれぞれの英作文の文法、語法、文章構成等の特徴を分析し、作文指導における連携上の課題を把握することを目的として、中学校と高校で同一テーマで書かれた英作文のデータを収集した。
同一テーマで書かれた中学生と高校生の英作文(各約30名)を、結束性の観点から分析し、両者の英作文の共通点と相違点の有無について考察した。その一部の成果を研究会において口頭発表した。また、中高生の作文の特徴や問題点に関連し、『教科教育の理論と授業I人文編』において、ライティング指導について理論と実践の両面から著述した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

公務海外出張の日程上の都合で、本年3月に予定していた海外の研究者との情報交流ができなかった。中学校教科書のライティングタスクの分析が一部完了できなかった。

今後の研究の推進方策

中学校の英語教科書のライティングタスクの分析を完了するとともに、新しい高校のコミュニケーション英語I、IIの教科書におけるライティングタスクの分析を行う。  Robinson(2001他)の認知的枠組みに加え、新たにHyland(2003他)の英作文タスクの効果の枠組みを利用し、特に構成と配列という観点から分析を実施する。
また、同一のテーマで書かれた中学生と高校生の英作文を、文章構成、文法的結束生、意味的一貫性等の観点から比較分析し、それぞれの英作文の特徴を洗い出す。その結果に基づき、中学生と高校生に必要な英作文の知識と技能がどのようなものか検討する。
教科書の分析から得られたライティングタスクの特性と、中高生の実際の英作文の分析から得られた必要な知識や技能の項目についてどの程度の整合性が成り立つか検討する。
その上で、より効果的なライティングタスクのシラバスの形式と内容について考察する。

次年度の研究費の使用計画

今年度約6万円の繰越金が出たが、これは当初本年3月に予定していた海外における研究者との研究交流が公務出張の都合で実施できなくなったため、当該旅費予算の一部をライティングの教科書および関連資料の追加購入に当てた分の余剰である。
25年度には、高校の新学習指導要領に準拠したコミュニケーション英語I、IIの教科書、及びその関連資料を入手するために約35万円、海外の研究者との研究交流のための旅費として約30万円、研究報告書の作成費用として約20万円、最終的なデータの整理と分析補助のための人件費として約10万円の支出を予定しており、繰越分は旅費の一部に充当する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 その他

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 中学生と高校生の英作文に見る結束性の問題点

    • 著者名/発表者名
      久保田 章
    • 学会等名
      筑波大学教材教授法研究会
    • 発表場所
      筑波大学
  • [図書] 教科教育の理論と授業I(第3部、第4章「ライティング指導の理論と実践」2012

    • 著者名/発表者名
      久保田章(分担)
    • 総ページ数
      263-281
    • 出版者
      協同出版

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公開日: 2014-07-24  

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