研究課題/領域番号 |
23520668
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
酒井 英樹 信州大学, 教育学部, 教授 (00334699)
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キーワード | 外国語教育 / タスク / リーディング |
研究概要 |
平成24年度の目的は、タスク、タスクに基づく外国語教育、及び第二言語によるリーディングに関する研究を行うことと、テキストの類型化に基いて、タスクを開発することであった。第一に、タスクとリーディングに関する研究については、平成24年8月に行われた全国英語教育学会愛知大会において、タスク、リーディング、第二言語習得に関する研究発表に参加し、資料を収集した。また、平成25年3月にはタスクやリーディングに関する研究者より専門的知識の提供を受けた。第二に、テキストの類型化に基づいて、タスクを開発する点については、テキストの類型化の試みまで実施した。平成23年度に実施した中学校のテキスト分析では、テキストが音声コミュニケーションと文字コミュニケーションに分類できること、文字コミュニケーションに関しては大きく分けると20種類、細かく分けると58種類に分類されることがわかった。ジャンル・テキストタイプを頻度の多いものから10種類挙げると、(1) 散文・物語、(2) 散文・伝記、(3) 散文・脚本、(4) 散文・ノンフィクション、(5) Pre_要約、(6) Pre_解説、以下、同順位で、Pre_報告、日記、はがき、韻文・詩、であった。これら頻度の高かったジャンル・テキストタイプについて、どのような目的を設定したら良いのかについて、アンケート調査及びコーパスを活用して、整理した。この類型化に関する研究成果は、平成25年度の日英英語教育学会にて報告する予定である。また、タスクの開発及び検証は、平成25年度の研究内容とすることとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成24年度にタスクの開発まで行う予定であったが、初年度の研究成果を論文として公表する作業とタスクの類型化に時間がかかったため、実施できなかった。平成25年度に、タスクの検証と合わせて実施する予定である
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、タスクを開発することとその形成的評価を行うことを目的とする。タスクを開発した後、研究協力者である中学校の英語教師に依頼し、タスクを実施する。タスクの評価方法としては、次の3点から行う予定である。(a) タスクが動機づけに与える影響に関するアンケート調査、(b) 言語心理学的アプローチによるタスクにおける学習者発話の分析、(c) 教師に対するアンケート調査。5回学校訪問をし、授業記録を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度前半には、初年度に行ったテキスト・ジャンルタイプの分析の成果を論文にまとめる作業を行っていたため、平成24年度にタスクの製作ができなかった。そのため、タスクの制作経費が未使用のままになり、次年度に繰り越すこととなった。 平成25年度に繰り越した経費 (175,909円) は、平成24年度に実施できなかったタスクの製作費として使用する予定である。タスク制作に関わる謝礼(イラストなどの作成費)、教科書等の購入費などに活用する。また、平成25年度分の予算 (500,000円) は、計画通り、制作したタスクの形成的評価を行うために使用する。具体的には、タスク実施協力者への謝礼、学校訪問のための旅費、ビデオカメラ・ICレコーダーの購入費、統計ソフトの購入費などに使用する。また、平成24年度の研究成果を学会において発表するために、旅費・宿泊費として使用する計画である。
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