研究課題/領域番号 |
23520676
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
岩崎 克己 広島大学, 外国語教育研究センター, 教授 (70232650)
|
研究分担者 |
吉満 たか子 広島大学, 外国語教育研究センター, 准教授 (20403511)
HARTING AXEL 広島大学, 外国語教育研究センター, 准教授 (80403509)
|
キーワード | e-ラーニング / コンピュータ支援学習(CALL) / ドイツ語教育 |
研究概要 |
計画の初年度である平成23年度は、1)過去6年間の広島大学における中級レベルの学習者を対象としたアンケート調査資料(学習履歴、学習ストラテジー、自己評価、到達レベル等)と、2)ヨーロッパ言語共通参照枠およびドイツ語技能検定試験やStartDeutsch 2 / Zertifikat Deutsch等の各種検定試験関連の資料との分析を通じ、到達度評価の基礎として使い得る指標を明らかにしていく作業を行った。 計画の2年度目に当たる平成24年度は、前年度に行った基礎調査をもとに作成した、到達度評価のための指標をより細かく検討し、階層的な形で整理するとともに、それらを自己評価のために利用するためのシステムの作成を開始した。 また、文法に関しては、学習すべき項目を整理すると共に、ドイツ語検定試験の出題形式を利用し、主にその3級~4級レベルに焦点を絞り、公開されている関連資料と過去18年間の出題問題の分析作業をもとに、文法の理解度を自己診断するためのオンラインの課題を600題程度作成し、それらをインターネット上で提供できるようにした。 さらに、特に読解に重点を置いた自己評価システムの一環として、指定した速さと開始のタイミングで画面上からテキストを消去していく形で読む速さを制御するオンライン型の速読支援システムを作成すると共に、単語入力を通して、隠されたテキスト全体を少しずつ再生していくStoryboard型のテクスト再生課題をオンライン上で提供できるようにし、それらの実験運用を開始した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
到達度評価の基礎として使い得る指標を明らかにし、それを自己評価のために使用する枠組みづくりの作業は、計画通り進行している。また、到達度評価の根拠として利用するための各種検定準拠のオンライン型テスト・課題等の作成については、今年度は、主としてドイツ語技能検定試験準拠問題に重点を置いて、その作成作業を早めたため、Start Deutsch および Zertifikat Deutsch に準拠した語彙テストの開発はやや遅れているが、全体として見れば、ほぼ計画通りの進行状況である。
|
今後の研究の推進方策 |
平成25年度には、自律学習支援のためのポートフォリオ等の補助的な機能を加え、システム全般を完成し、広島大学における独検準備講座等で実際に利用する。実際の運用を通じシステムの評価と改善に努める共に、最終的な成果を各種学会で発表する。また、開発したシステム自体も2014年初頭を目途にWWW上で広く公開し、広島大学以外の教育機関や個人にも開放し、自由にアクセスして使えるようにする。
|
次年度の研究費の使用計画 |
チェックリスト項目の整理、課題のデータベース化などの電子化作業の補助(謝金)および設計したオンラインシステム設計の実装(物品)、および成果の発表等のための費用(旅費)がそれぞれ必要となる。
|