研究課題/領域番号 |
23520677
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
鈴木 右文 九州大学, 言語文化研究科(研究院), 准教授 (90243873)
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キーワード | 文字チャット / 英語 / 対話演習 |
研究概要 |
3年間を通しての本研究の目的は、国際英語検定試験に見られるような英語の一般的能力と、(英語)文字チャットにおいて発揮される能力との比較研究であるが、平成23年度(後期)には授業が選択科目で受講者が思うように集まらず、データ収集が思うようにできなかったが、平成24年度においては、前後期ともある50名規模の授業を実施することができた。もともと平成23年度後期と平成24年度後期での授業でデータ収集を実施する予定であったため、平成24年度前後期で授業を実施することができたことは、遅れを取り戻したものと言える。 実施した授業から、チャットログの収集を行うことができた。そして使用したシステムを利用して、できる限りの簡単な数値の処理も行うことができた。さらに、関係受講者が学内で団体受験した国際英語検定試験のスコアも入手することができた。 続いて、平成24年度前期の授業の結果に基づき、受講者の国際英語検定試験のスコアと、(英語)文字チャットの活動との関係について、予備的分析を行った。前期の授業のデータのみを見る限りでは、検定試験のスコアの上位層が、下位層よりも、発言回数や発言文字数において勝ると考えてよいという結果が出た。 さらに、一般的英語能力の指標として、国際英語検定試験のみならず、語彙力を導入する可能性について検討するため、平成24年度後期の受講者に対しては、語彙力試験を試験的に実施した。これについては平成25年度に採否も含め検討することとなる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ログの収集のために平成23年度後期に予定していた授業が選択科目であったために受講者不足で研究に使用できる状態ではなかったのだが、そのかわりに平成24年度前期には必修科目の枠組みで授業を実施することができ、半年遅れではあったが授業を実施できた。また平成24年度後期の授業については予定どおりに(必修科目として十分な受講者を得る形で)実施することができた。従って授業実施に関しては遅れを取り戻したと言え、23年度の達成度については「やや遅れている」という自己判定だったのに対し、今回の平成24年度についてはほぼ予定どおりと評価できると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
「研究実績の概要」「現在までの達成度」に記載したとおり、平成24年度までの段階においては、計2つの授業で文字チャットによる英語対話演習授業を、それぞれ50名規模で実施することができ、ログの収集、簡単な集計、受講者の国際検定試験スコアの入手、文字チャットでの活動と国際英語検定試験に基づく英語の一般的能力との比較を行う基準についての考察をまとめ、平成24年度前期の(1つの)授業に基づいて全体の結論へと向かう予備的考察を行って、両者にはある程度の関係が認められることを見出した。 最終年度の平成25年度においては、これらの成果のもとに、2つの授業をあわせての集計、分析を実施することになる。その場合、新たに比較基準として浮上してきた語彙力についての採否を検討し、採用することになれば分析を行うことになる。また、文字チャットで発揮される能力について、計量的な指標ばかりでなく、質的な指標についても取り入れるべく、ログに見られる英文としての質的不具合の件数をカウントして比較検討の材料とすることを試みる予定としている。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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