平成25年度においては、平成23年度に検討した基準や方法等に基づいて、平成24年度前期後期にそれぞれ1つずつ実施した文字チャットによる英語対話演習授業で採取した対話のログに関する分析検討を実施した。受講者ごとにとらえることのできた統計的データは、参加時間、総発言回数、総発言文字数、1分当たりの文字数、1文当たりの文字数、参加タスク数、1タスク当たりの発言数であり、この他1文1文検討することで入力ミスと文法ミスの件数を割出し、さらに大学で実施したTOEFL-ITPのスコアも入手した。 判明したことは以下のとおり。1)TOEFL-ITPのスコアの上下でクラスの受講者を2分した場合に総発言回数、総発言文字数、1分当たりの文字数という文字チャットのパフォーマンスはTOEFL-ITPの上位者が下位者より明らかに高く、統計的相関も認められ、学部による差も認められる 2)入力ミスはTOEFL-ITPの上位下位や学部による差は認められないが、文法ミスについてはそうした差が認められる。また、上位下位での差は認められるが相関係数的には差が出ない(上位下位の大まかな差はあるが個人差が激しいものと思われる) 3)入力ミスが多い者は文法ミスも多い。 こうしたことから、TOEFL-ITPに代表される一般的英語能力と英語文字チャットでのパフォーマンスにはかなりの平行関係が認められるため、文字チャットの訓練は英語能力の伸長に資するものと考えられる。
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