3年間の研究を通して、英語表現、特に、動詞・形容詞・前置詞を中心とした表現と文法項目に見られるコア・イメージ図を作成し、そのイメージを定着させるための教材を開発した。教材開発については、英語コミュニケーションにつながる英語表現力の育成、passive vocabularyのactive vocabulary化、センテンスプロダクションに必要な時間短縮とコミュニケーションの円滑化を目標に行った。これらの目標と実際に開発した教材が英作文に応用できるかどうか授業を通して検証を行い、学生からのフィードバックをもとに教材のイメージ化に修正を行った。初年度は、イメージ作りのための調査、特に、大規模コーパスデータを用いた調査を行い、コアなイメージと発展的イメージの抽出、イメージにあった例文の選定、及び、イメージ作りを行った。研究の2年度以降は、実際に大学の授業で用いて教材の検証と効果の度合い、アンケート調査を行った。学生からのフィードバックをもとに修正を行った。語彙のイメージ図では、良好なフィードバックを得られたが、文法項目のイメージ図ではコアな部分と関連づけるのが困難な用法も存在することから、コアーと発展、それに例外的項目と観点から整理・修正を行った。3年間の研究で目標とする内容に到達したものと考えられる。最終年度の成果としては、国際学会で発表(2013年:京都大学)を行った。2014年においても国際学会での発表(オーストラリア・ブリスベン)に採択されている。今後は、e-learning教材として大学のみならず、高校、あるいは中学校の英語教育、英語教員のブラッシュアップ教材として利用できるように公開する予定である。また、高大連携のプログラムにおいても教材の使用と共有化を進めていきたい。特に、長崎大学と同様のCALL教室を整備している高校との教材の共有化をすすめたい。
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