研究課題/領域番号 |
23520684
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研究機関 | 新潟県立大学 |
研究代表者 |
茅野 潤一郎 新潟県立大学, 国際地域学部, 准教授 (50413753)
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研究分担者 |
峯島 道夫 新潟医療福祉大学, 社会福祉学部, 准教授 (10512981)
大湊 佳宏 長岡工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (70413755)
占部 昌蔵 東京工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (20530447)
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キーワード | listening / authentic oral text / EFL / impromptu speech / scripted speech |
研究概要 |
本研究は、これまで取り上げられることの少なかった生きた英語音声(authentic oral text, 以下AOT)に見られる諸要因が学習者のリスニング理解度に与える影響を調査し、特に日本の中等教育において学習者にAOTを聴かせることが聴解力向上に有効なのかどうか、あるいは負の影響を与えるのか、といった点について明らかにすることを目指す。 初年度および研究2年次には、中高校生が日常接しているリスニング音声の特徴をとらえるため,国内外の英語リスニング音声教材を分析した。その結果、学習用のリスニング教材に収録された音声は、自然な口頭英語と比べ、発話速度分布や語数分布が異なり、また、フィラーや繰り返しといった口頭言語に含まれる諸要素が欠落していることが明らかになった。 研究2年次および最終年度にあたる本年度は、AOTの言語的特徴のうち、フィラーに焦点を当て、日本人EFL学習者の聴解度にどのような影響を及ぼすか明らかにするため、(1)フィラーを含む音声は聴解の促進要因となるか、阻害要因となるか、(2) フィラーを含む音声の聴解度への影響は英語熟達度によって異なるか、(3) フィラーの位置は聴解度にどのような影響を及ぼすか、という3点について調査した。その結果、フィラーを含んだ音声を聴いたグループと、フィラーを含まない音声を聴いたグループとでは、全体として聴解力に差はなかったものの、英語熟達度を考慮した場合、上位層にはフィラーを含まない音声の方が正確に聴いて理解することができるた。また、フィラーが意味単位内に置かれ、意味単位の断片化が引き起こされる場合、EFL学習者にとって聴解を阻害する要因となることが明らかとなった。
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