• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実施状況報告書

意識的な語彙・文法学習を取り入れた多読プログラムの開発とその教育的効果の検証

研究課題

研究課題/領域番号 23520689
研究機関福岡県立大学

研究代表者

水野 邦太郎  福岡県立大学, 人間社会学部, 准教授 (40320840)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード多読プログラム(イギリス) / 語彙習得 / レクシカル・チャンク / 明示的な学習 / ICT / Usage Based Theory
研究概要

Oxford Bookworms Library(OBW)シリーズのStage1 からStage 6 において、各Stageから10冊を選び60冊の「OBWコーパス」を構築した。そして「Stage が上がっていくごとに、(1)単語、(2)レクシカル・チャンク、(3)文法がどのように変化し発達して行くか」を系統的に分析し、OBWの"Graded"の実態を明らかにする分析ソフトの開発にプログラマーと取り組んだ。そのようなソフトを開発することにより、OBWシリーズを多読することを通して「どのような言語リソースと、どのくらいの頻度で出会うのか」、OBWの多読によるインプットのデータを(1)(2)(3)の観点から具体的に可視化することができる。そして、OBWシリーズを活用した多読プログラムを実践する際の「インプット」に対する「教育的価値」を考察することが可能となる。 単語の観点については、「各本」「各ステージ」における「単語(Type/Token)出現リスト」とその「出現頻度」を調査した。そして、以下の単語リストとOBWの使用単語リストのカバー率を分析した: British National Corpus, A General Service List of English Words, The Longman Defining Vocabulary, Basic English, JACET 8000, ALC 12000。その結果、OBW で使用されている単語が現代英語を見事に反映しており、OBWの英語の"Authenticity"の高さが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

60冊の「OBWコーパス」を構築した。次に「(1)単語」「(2)レクシカル・チャンク」「(3)文法」の観点から、各本、各Stage ごとに分析し統計を出すためのプログラム開発を行った。その分析プログラムに実装すべき様々な機能とインターフェイスを、プログラマーと試行錯誤しながら開発するのが予想以上に困難を極め、プログラム開発に多くの時間がかかってしまった。そのため、開発したソフトを駆使して「OBWコーパス」を分析するための時間が、平成23年度は十分にとることができなかった。 「(1)単語」の観点については分析は終了し、各本、各Stage ごとに「どんな単語」が「何度、使用されているか」が、質的・量的に明確にわかった。一方、「(2)文法」「(3)レクシカル・チャンク」の観点からの分析がまだ終了していない。

今後の研究の推進方策

平成24年度は、平成23年度に開発したソフトを使って「OBWコーパス」を「(2)レクシカル・チャンク」「(3)文法」の観点から、各本、各Stage ごとに質的・量的に分析する。その分析結果を考察し、OBW シリーズを多読することで「どのような言語リソースと、どのくらいの頻度で出会うのか」、OBWの多読によるインプット・データの全体像を明らかにする。そして、OBW シリーズを活用した多読プログラムを実践する際の「インプット」に対する教育的価値を考察する。その研究成果を平成24年12月を目指してまとめ、OBWシリーズの編集主幹であるJennifer Bassett氏、オックスフォード出版局のOBW編集部に報告する。 平成23年度・24年度の基礎研究の成果を踏まえ、OBW で使用されている「(1)単語」「(2)レクシカル・チャンク」「(3)文法」を「意識的・明示的に学習するためのプログラムソフト」を開発する。そして、その語彙・文法学習ソフトを活用した多読プログラムを平成25年度に実施し、意識的な語彙・文法学習を取り入れたOBW多読プログラムの教育的効果を、各学期始めと学期末にテストを行い検証する。 なお、平成23年度は国際学会で発表をしなかったため、平成24年度に、平成23年度の残額を用いて国際学会への旅費にあて、国際学会で研究成果を発表する予定である。

次年度の研究費の使用計画

「OBWコーパス」を「(2)レクシカル・チャンク」「(3)文法」の観点から分析するためのソフト開発の改善に、さらに費用が必要となる。OBW で使用されている「(1)単語」「(2)レクシカル・チャンク」「(3)文法」を意識的・明示的に学習するための学習プログラムソフトの開発に費用が必要である。 研究成果を、The British Association for Applied Linguistics、The American Association for Applied Linguistics、TESOL で発表するための旅費が必要である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] プロジェクト IRC ― 多読の授業における互恵的な読書環境の創出―2011

    • 著者名/発表者名
      水野邦太郎・川北直子・東矢光代・西納春雄
    • 雑誌名

      外国語教育メディア学会紀要

      巻: 48 ページ: 143-171

    • 査読あり
  • [学会発表] 洋書の読書を通じた学びの共同体づくり2011

    • 著者名/発表者名
      水野邦太郎
    • 学会等名
      日本英文学会 (招待講演)
    • 発表場所
      北九州市立大学
    • 年月日
      2011年5月22日

URL: 

公開日: 2013-07-10  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi