多肢選択式リスニングテストにおける選択肢の数の影響を,問題形式ごとに検証した。3択と4択を比較した結果,テストの信頼性や弁別力には大きな差はなかったが,項目困難度に関しては違いが見られた。描写問題のような比較的単純な形式(写真と一致する英文を選ぶ)の場合は,3択と4択で困難度は変わらないが,TOEICのPart 4のような認知的負荷の高い形式(本文がモノローグで,複数の質問文に答える)では3択の方が,困難度が低くなるという結果になった。研究全体の調査結果から,リスニングテストにおける最適な選択肢数を検証するためには,問題形式および錯乱肢について詳細な分析が必要であることが示唆された。
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