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2011 年度 実施状況報告書

日本人大学生の英文ライティングにおける統語的複雑性と正確性の発達研究

研究課題

研究課題/領域番号 23520693
研究機関東京国際大学

研究代表者

成田 真澄  東京国際大学, 言語コミュニケーション学部, 教授 (50383162)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード学習者コーパス / 英文ライティング / 名詞句構造 / 第二言語発達
研究概要

初年度の研究課題は、本研究において言語分析の対象としている英語名詞句の内部構造をどのように分類するかを文法書や先行研究を調査して決定すること、並びに、英語学習者が作成した英作文から名詞句を自動抽出する手法を検討することであった。 名詞句の内部構造は、中心となる名詞よりも前に生起して修飾する要素群と中心となる名詞よりも後に生起して修飾する要素群に分けて考え、前置あるいは後置修飾要素としてどのような文法形式が可能なのかを整理した。この分類に基づいて、次年度以降の言語分析を進める。 英語学習者が作成した英作文には文法的な誤りが多数含まれているため、現在の自然言語処理技術を用いても精度よく自動的に名詞句を抽出することは困難である。しかし、すでに広く公開されている英語句構造解析ツールがあるため、まずは本研究で収集した英作文データ(=学習者コーパス)を解析し、自動的に名詞句を抽出した。次に、本研究での言語分析に供するために、より大きな名詞句へのまとめあげを手作業で実施している。次年度は、英作文データ全体に対して、このより大きな名詞句へのまとめあげを終了させる予定である。 さらに、同一の英語学習者を対象として縦断的に収集した英作文データ(手作業で句構造と文法的な誤り情報が付与されたもの)を入手し、本研究者が構築した横断的学習者データ(前述の学習者コーパス)ととともに同様の分析を実施している。この縦断的学習者データに対しても、より大きな名詞句へのまとめあげは手作業で実施している。 このように、初年度の研究は、次年度以降の言語分析(名詞句がどのような文法形式で構成されているのか、どのような誤りが含まれているのか)を効率的に実施するために必要な課題に重点を置いた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

英語の名詞句構造の分類は、既存の文法書や先行研究で報告されている内容との比較が容易に行えることを念頭に置いて設定することができた。 英語学習者による英作文データには多数の文法的な誤りが含まれるため、精度よく自動的に句構造を解析することは難しいが、既存の解析ツールを改良したり人手で解析結果を修正したりすることによって、本研究で計画している言語分析を効率的に実施できる見込みが立った。 人手による解析結果の修正と確認には時間を要するが、本研究では「名詞句」のみに焦点を当てているため実施困難な作業とはなっていない。

今後の研究の推進方策

2種類の学習者データ(英作文データ)に対して、分析対象とする句構造情報の付与作業を終了させた後、本研究の主要課題である名詞句の構造分析に着手する。名詞句の分析は、構造としてどのくらい複雑か(=中心となる名詞を修飾している要素がどの位置にどのような形式で生起しているか)という複雑性の観点と、その構造がどのくらい正確なのか(=誤りがどの程度含まれているのか)という正確性の観点の両方から分析する。 量的分析に加えて質的分析を実施することにより、英語学習者による英語名詞句の発達を観察・記述する。こうして得られた結果をもとにして、英語ライティング教育に活かす方法を提案するとともに、その指導法を実際の教育現場で実践することを狙う。

次年度の研究費の使用計画

次年度は、名詞句の構造分析を効率よく実施するための言語処理ツールを用意し(言語工学を専門とする大学院生が開発)、このツールによって抽出されたデータを新たに購入する統計分析ソフトを用いて量的言語分析を実施する。 量的言語分析結果を英語論文としてまとめ、米国で開催される国際学会において口頭発表を行う。論文としてまとめるとともに、本研究のホームページを開設し、本研究の狙いや進捗状況、研究実績を広く公開する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 学生ライティングチューターによる支援効果2012

    • 著者名/発表者名
      成田真澄、松林世志子、ジョージ・ヘイズ、前田ジョイス、金澤洋子、花岡修
    • 雑誌名

      東京国際大学論叢―言語コミュニケーション学部編

      巻: 8 ページ: 75-86

  • [学会発表] Use of Articles in Japanese EFL Learners' Essays2011

    • 著者名/発表者名
      Masumi Narita
    • 学会等名
      Learner Corpus Research 2011
    • 発表場所
      Universite Catholique de Louvain
    • 年月日
      September 16, 2011
  • [備考]

    • URL

      http://homepage2.nifty.com/barbra/

URL: 

公開日: 2013-07-10  

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