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2013 年度 実施状況報告書

英語教員の技能診断システム試行版-現職教員との共同開発および構成概念妥当性の検証

研究課題

研究課題/領域番号 23520701
研究機関上智大学

研究代表者

渡部 良典  上智大学, 外国語学部, 教授 (20167183)

研究分担者 加納 幹雄  岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 教授 (70353381)
キーワード英語教員の技能 / 診断システム / 構成概念妥当性 / 現職教員 / 教員養成
研究概要

大学で行われている教職科目が実際の指導に役立っているのかどうかを検証するために、卒業直後に教員となった現職の英語教員11名との会合を行った。加納が立ち合った。討論の模様を録画し文字に起こし、詳細に検討し問題点を列挙した。
現場でおこるさまざまな問題に対処するためには、技能および知識が必要となる。英語教員として必要な最低限の実践的知識が習得されているかどうかを確認するために、参加者全員にケンブリッジ大学が開発したTKT(Teaching Knowledge Test)を実施した。言語知識、実践技能などさまざまなモジュールから成るテストであるが、今回は授業運営に関るModule3(クラス運営)を実施した。比較検討を行うため、さらに現在教職科目を履修中の現役の学生(私学および国立)、他県の現職教員にもTKTを実施した。 テスト実施の際には、受験者の属性および過去の教員歴、教育歴等も情報としてあわせて収集した。さらにTKTについて印象を記載するよう依頼した。
現在、現職教員のための診断にはどのような技能・知識が必要とされているのかを多角的にとらえるために、討論の結果と考察にあわせて、TKTの分析結果を行っているところである。これまでのところ、討論を行うこと自体に問題点を意識化する効果があること、テストについても同様に受験すること自体に自らの知識を確認する効果が認められることがわかった。問題点の一つとして、第二言語習得研究や外国語教育の研究一般で使用される専門用語が理解できない、という受験者が少なからず見受けられたことがあげられる。教職科目や教員の再教育において専門用語をどこまでを習得すべき知識とするかその基準を設定する必要がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本申請の最終目的は外国語としての英語教員診断システムを開発することである。従来の試験作成プロセスとは異なり、問題点の特定から妥当性の検証まで、開発の全段階において現職教員の声を反映させる点を最大の特色とする。
診断すべき問題点を明らかにするべく、これまで面接、質問紙を用いて情報を収集してきた。必要にして十分な知識・技能を提供するためには採用試験と養成課程の教職科目内容が一致していなければならない。さらに、教育現場における実際の問題解決に役立つものでなければならない。本プロジェクトは開発過程から成果に至るまで診断の内容および方法が教職科目の内容に直結することを意図してきた。そのために、情報を収集する際には新任の現職教員、教職科目受講中の学生を対象とした。こうすることにより大学の教職科目をより実践的な内容にし、また現職教員の再教育の際にどのような内容に焦点を置くべきなのかを明らかにしようとしているのである。
当初意図した試作版を作成するための資料、情報はほぼそろったが、分析および解釈が十分とは言えず、さらに数か月程度が必要である。結果の公表については国内外で行ってきたが、こちらも十分ではなく、特に当初計画したネット上での公開については現在徐々にその準備を進めているところである。

今後の研究の推進方策

今後行うべきことは、1)収集した聞き取り調査の情報の統合、2)テストデータの分析、3)分析結果を診断システムに統合すること、4)結果をネット上で公表すること、以上4点である。1)についてはほぼ完了している。2)についても1か月程度で完了する予定である。3)については1)と2)が終わり次第遂行可能である。4)についてはホームページ作成の専門知識が必要となる。これまで業務委託によろ途中までできているが、完成までにはやや時間がかかりそうである。また、テストの結果については受験者に得点を含めたフィードバックを返すことを約束した。これは本申請の予定外の作業であるが、協力に対する感謝の意味も込めて早急に準備を進めているところである。

次年度の研究費の使用計画

データ・情報の収集および第一段階の分析は終えたが、最終段階のデータ分析に思いのほか時間がかかってしまった。理由の一つは現職教員の方々にお願いしていたテスト受験の時期が年明けにずれ込んでしまったことである。さらに、ホームページの作成の企画校正に予想以上の時間がかかっている。
必要なデータと情報の収集は終えたので、分析補助に謝金を支払う。また合わせてテスト受験者に得点を返却する際に、解答の参考となるような資料を添付するため、その準備のために補助を依頼し謝金を支払う。またホームページ作成を依頼しているので、手数料を支払う。

  • 研究成果

    (17件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (11件) (うち招待講演 11件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] サピア研究書誌:サピア、イエスペルセン、国際補助語(Sapir, Jespersen and International Auxiliary Language)2013

    • 著者名/発表者名
      渡部良典
    • 雑誌名

      日本エドワード・サピア協会紀要

      巻: 27 ページ: 41-47

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Profiling lexical features of teacher talk in CLIL courses – The case of an EAP programme at higher education in Japan.2013

    • 著者名/発表者名
      Yoshinori Watanabe
    • 雑誌名

      International CLIL Research Journal: Special issue - CLIL in Japan: beyond the European context

      巻: 2 (1) ページ: 4 - 18

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Test review: The National Center Test for University Admissions.2013

    • 著者名/発表者名
      Yoshinori Watanabe
    • 雑誌名

      Language Testing (SAGE)

      巻: 30(4) ページ: 565 - 573

    • DOI

      10.1177/0265532213483095

  • [雑誌論文] 役に立つ本、便利な本、ためになる本、面白い本2013

    • 著者名/発表者名
      渡部良典
    • 雑誌名

      英語教育

      巻: 1 ページ: 12 - 13

  • [雑誌論文] ヨーロッパ共通参照枠(CEFR)からみた上智大学外国語学部学生の複言語能力自己評価2013

    • 著者名/発表者名
      渡部良典、木村護郎クリストフ、西村君代、原田早苗、リサ・フェアブラザー、安達祐子
    • 雑誌名

      上智大学外国語学部紀要

      巻: 47 ページ: 211-234

  • [学会発表] Developing and Implementing CLIL Course at Higher Education: The Case of Sophia University シンポジウム 教育におけるCLILの実践と評価

    • 著者名/発表者名
      Yoshinori Watanabe
    • 学会等名
      第38回日本言語テスト学会研究例会、東海大学外国語教育センター、国際部、教育支援課協賛
    • 発表場所
      東海大学湘南校舎1号館1A-102教室
    • 招待講演
  • [学会発表] 学習を促進するための評価とテスト

    • 著者名/発表者名
      渡部良典
    • 学会等名
      メソドロジー研究部会 2013年度第2回研究会 第37回日本言語テスト学会研究例会
    • 発表場所
      大学コンソーシアムあきた
    • 招待講演
  • [学会発表] 言語テスト研究者から見た学校教育における「知・情・意」

    • 著者名/発表者名
      渡部良典
    • 学会等名
      秋田大学教育文化学部付属中学校公開研究協議会
    • 発表場所
      秋田大学教育文化学部付属中学校
    • 招待講演
  • [学会発表] 高等教育における選抜試験学力 担保としての検定試験活用策 到達度テスト活用法 大学入試・プレイスメントテスト・留学・英語到達度測定

    • 著者名/発表者名
      渡部良典
    • 学会等名
      地域科学研究会
    • 発表場所
      地域科学研究会 高等情報センター
    • 招待講演
  • [学会発表] Learning Oriented Language Assessment

    • 著者名/発表者名
      渡部良典
    • 学会等名
      長野県高校英語教員研究会
    • 発表場所
      長野県立長野西高等学校
    • 招待講演
  • [学会発表] Linking instruction to assessment新学習指導要領を踏まえた指導と評価の在り方

    • 著者名/発表者名
      Yoshinori Watanabe
    • 学会等名
      熊本大学大学院社会文化科学研究科 英語教育セミナー
    • 発表場所
      熊本大学
    • 招待講演
  • [学会発表] Test-users’ argument – why, what and how? JLTA Symposium on Validation, with Lyle Bachman (UCLA), K. Nakamura (STEP-EIKEN), T. Green (University of Bedfordshire) & Yasuhiro Imai (Osaka University).

    • 著者名/発表者名
      Yoshinori Watanabe
    • 学会等名
      Japan Association of Language Testing
    • 発表場所
      Waseda University
    • 招待講演
  • [学会発表] TKT Course: Module 1, 2 and 3 as a course book for pre-service training courses in ELT at a Japanese university – Its potential as a resource for knowledge and skills and a basis for diagnostic treatment for in-service and pre-service EFL teachers.

    • 著者名/発表者名
      Yoshinori Watanabe
    • 学会等名
      Cambridge ESOL staff meeting.
    • 発表場所
      Cambridge University
    • 招待講演
  • [学会発表] 中学校教科書を用いた授業改善を考える

    • 著者名/発表者名
      加納幹雄
    • 学会等名
      岐阜県東濃地区小中英語教育研究会
    • 発表場所
      瑞浪市立瑞浪小学校
    • 招待講演
  • [学会発表] グローバル人材育成のために英語教育が果たす役割

    • 著者名/発表者名
      加納幹雄
    • 学会等名
      愛知教育大学シンポジュウム
    • 発表場所
      愛知教育大学
    • 招待講演
  • [学会発表] 中学校の教科書で理念を考え高校の授業改善を考える

    • 著者名/発表者名
      加納幹雄
    • 学会等名
      富山県魚津地区グローバル人材育成促進事業の英語教育講演会
    • 発表場所
      富山県立魚津高校
    • 招待講演
  • [図書] Language assessment in Japanese. In Kunnan, A. Companion to language assessment.2013

    • 著者名/発表者名
      Yoshinori Watanabe
    • 総ページ数
      2240 (1901 - 1908)
    • 出版者
      Wiley-Blackwell

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公開日: 2015-05-28  

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