研究課題/領域番号 |
23520703
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研究機関 | 高千穂大学 |
研究代表者 |
松谷 明美 高千穂大学, 人間科学部, 教授 (60459261)
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キーワード | 生成文法 / 第二言語習得 / 統語論 / 意味論 |
研究概要 |
24年度に行った研究成果は次の通りである。第1期(4月-9月)においては、プロジェクトメンバー(Patricia Hironymous(Glendale College)・神谷正明(HamiltonCollege)と昨年の実験・調査案について、見直しのための打ち合わせを高千穂大学(6月)とGlendale College(8月)において行った。統語論・意味論・音韻論・運用論の視点から(特にインターフェイスの視点から)、wh-phraseがどのように移動して、容認可能なwh-rhetorical questionsを生成するのか、それを誘発する意味論・音韻論上の要素などのようなものが考えられるのかについて議論をして、それまでの実験・調査案を修正した。第2期(10月-3月)においては、10月にパイロット実験を英語の大人の母語話者に実施し、音声分析ソフト(Praat)を使い、結果を分析した。1月に学会発表(11th Hawaii International Conference on Arts and Humanitiesにおいて)を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度に取り上げた先行研究以外の新たなものを取り上げて、母語話者への実験・調査案を改良したことで、最終的目標である英語の修辞疑問文に関する第2言語習得研究に繋がる方法を概ね構築することができた。
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今後の研究の推進方策 |
統語論・意味論・音韻論・運用論の視点から(特にインターフェイスの視点から)、wh-phraseがどのように移動して、容認可能なwh-rhetorical questionsを生成するのかについて、それを誘発するであろうと予測される意味論・音韻論上の要素を考慮に入れて、再度英語の大人の母語話者に英語の修辞疑問文をターゲットセンテンスとした調査・実験を行い、その結果を分析する。さらに、日本語の大人の母語話者にも日本語の修辞疑問文について、同様な方法で調査・実験を行い、その結果を分析する。今年度内に英語・日本語の修辞疑問文について、生成・解釈プロセスを比較することで、類似点と相違点を見つけ出し、それがどのように第2言語言語習得に影響を与えているのかを予測する。
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次年度の研究費の使用計画 |
第1期(4月―9月)においては、前年度改良した英語の大人の母語話者に対して、修辞疑問文に関する実験・調査を米国において実施することを予定している。第2期(10月-3月)においては、日本語の修辞疑問文に関して、日本語の大人の母語話者に対して同様な方法で実験・調査を日本において行うことを予定している。これら2種類の実験・調査を実施するにあたり、旅費・実験補助アルバイト代等に研究費をあてたい。また、研究を推進させるために必要な専門書の購入に使用する予定である。さらに、研究成果を第2期の後半(1月以降)に海外の学会(例えば、LSA等)で発表する時に旅費として支出する予定である。
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