研究課題/領域番号 |
23520704
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
伊東 弥香 東海大学, 外国語教育センター, 准教授 (20434201)
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研究分担者 |
加納 幹雄 金沢大学, 教育学部, 教授 (70353381)
金澤 延美 駒沢女子短期大学, 保育科, 教授 (40281555)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 国際情報交流(韓国) / 国際情報交流(米国) |
研究概要 |
本研究の目的は,教職課程履修者用「自己評価ポートフォリオ」試案の検証を通し,小学校英語の指導者に求められる「英語教授力(英語力・指導力)」の「基準化」について提言を行うことである。本目的達成のために,(1)「教育内容」と(2) 「教育内容に連動した教師教育(養成と研修)」の2つの視点から研究を進めている。1.平成23年度は,上記(2)に関する国内・外の先進事例の調査および研究発表を中心に行った・・・(1)第50回大学英語教育学会(JACET)全国大会(福岡)にて,代表者が所属するJACET教育問題研究会メンバーとともに,「日本の英語教育と教師教育改革」「英語科教職課程履修生のためのポートフォリオの開発研究」に関する研究発表を行うとともに,日本の英語教育の最新動向について学んだ。(2)米国カリフォルニア州立大学ノースリッジ校(CSUN)にて,教職課程プログラム(初等および中等科教育)に関する面談調査と資料収集を行い,カリフォルニア州教員養成基準に基づく実践と現状について学んだ。(3)第23回日米教員養成協議会(JUSTEC)の大会参加およびポートフォリオ開発に関する研究発表を通じて,日米の教師教育に携わる専門家との意見・情報交換を行い,マサチューセッツ州公立小学校2校を視察調査した。(4)広島大学大学院・教育学研究科にて,小,中,高における外国語活動・外国語学習の「評価の規準と判定基準」に関する専門知識の提供を受けた。2.上記(1)「教育内容」に関して,児童の英語力の到達度を示す評価方法の先行事例として,カリフォルニア州ロスアンゼルス統一学校区(LAUSD)において「英語を母語としない児童」を対象に使用されるポートフォリオを用いて,音声と文字の融合(=「音声への気づき(Phonemic Awareness)育成」を図る活動について調査を始めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究代表者,研究分担者ともに,本務校での校務を優先した結果,研究初年度のエフォートを達成することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
A. 教育内容と教師教育の基準化に関する実態調査(韓国)・・・(1)小・中・高一貫英語教育推進のための教育課程編成の考え方・原理を整理し,確かな学力育成のための取り組みの特徴と方法を解明する。(2)教育効果と問題点(学習者の英語力の育成と公教育改善・充実)との関連性を明らかにする。B. 教育内容と教師教育の基準化に関する実態調査(米国カリフォルニア州)・・・教師教育の基準化の考え方・原理を整理し,「教員養成基準」を満たす教員を養成するためのCSUNの教職課程プログラムの理念と実践を調査する。とくに,CSUNが使用する「カリフォルニア州教員のための実践評価(PACT)」の開発理念を調べる。C. 教育内容と教師教育の基準化に関する実態調査(日本)・・・広島大学の「教職教育ポートフォリオ」,および同大学大学院の「教職高度化プログラム(博士課程前期)」について,それぞれの開発・開設理念や実態調査を行う。D. 小学校英語指導者のための自己評価ポートフォリオの開発・・・(1)日本の学習指導要領に基づく「英語(学)力」の構成要素を明らかにし,英語学力の到達度に関する評価規準・方法を検討する。(2)指導者に求められる「英語力」の構成要素を明らかにし,教職課程履修者用「自己評価ポートフォリオ(チェックリスト)」の試案を作成する: 現職小学校教員から聞き取り調査およびポートフォリオ・チェック項目の洗い出しと精査を行い,チェックリスト(第1案)を作成し,教職課程履修生を対象にパイロット調査(第1回)を行い,結果を分析する⇒チェックリスト(第2案)を作成し,教職課程履修生を対象にパイロット調査(第2回)を行い,結果を分析する⇒チェックリスト(第3案)を作成し,教職課程履修生および現職小学校教員を対象にパイロット調査(第3回)を行い,結果を分析する⇒パイロット調査(第3回)の結果と分析をもとに,試案を完成させる。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究費の使用計画(平成24年度)<国内旅費>調査・資料収集(学会参加),成果発表(学会発表)<外国旅費>調査・資料収集(1)(韓国×2名),調査・資料収集(2)(米国×1名)<謝金等>資料整理・翻訳・通訳(韓国語),チェックリストのパイロット調査(1)(2)の集計・分析<その他>パイロット調査(1)(2)の実施費,会議費(年3回×3名)
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