研究概要 |
前年度の結果を基に、予備調査としてリカートタイプの質問紙作成し180名の被験者に実施した。これらの結果を基にデータを因子分析し因子負荷量の低い質問項目を除外し、変数間の相関関係を高め、調査用紙の信頼性を改善した。出来上がった調査用紙を180名の被験者に実施し、再度因子分析にかけ、日本のC1,C2レベルに属する国際ビジネスパーソンが使用するストラテジーを確認した。結果として固有値1以上の8つのストラテジー因子を抽出することができた。各因子の項目の負荷量は0.4以上である。また、尺度の信頼性に関するCronbachのα係数は0.85であり、高い信頼性が認められた。この8つの因子により説明された分散は全体の44.4%となった。 具体的には以下の8つのCSストラテジーが抽出された。第1因子:発話内容の明確化ストラテジー、第2因子:意図推測・柔軟対応ストラテジー、第3因子:用意周到ストラテジー、第4因子:対話者配慮ストラテジー、第5因子:意図伝達ストラテジー、第6因子:異文化受容ストラテジー、第7因子:直接主張ストラテジー、第8因子:秩序重視ストラテジー。これらの8つのストラテジーにはぞれぞれ下位項目のストラテジーがあり、これらをまとめて最終的な信頼性の高い調査用紙を完成させた。これをBusiness Communication Strategy Inventory (BCSI)Ver.1 とした。 以上のような手順で完成したBCSIを大学やビジネス現場などで導入してもらい、今後ビジネスコミュニケーションスキルの評価や、英語交渉力の習得目標の構築に活用してもらえるようにしている。これら得られた結果を取りまとめ、成果の発表を学会で行い、論文を作成している。
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