研究概要 |
1.調査の概要:本研究では日本語を母語とするドイツ語学習者の文法習得について、主に語順と冠詞使用の観点から調査を行った。平成25年度は、平成23年度・24年度に収集した作文データ(学習者99名、578テキスト、857,888語)の分析をすすめ、結果を元に考察をすすめた。語順習得については、調査に参加した学習者の発話データを分析し、作文データと口頭発話におけるエラータイプについての比較・考察を行った。冠詞習得については、作文データの分析で見られたエラータイプを検証するために、学習者の冠詞使用に対する知識をチェックするためのテストを作成し、中級者(B1レベル)24名に対して調査を実施した。 2.研究成果の報告:分析結果について下記の国際学会で発表し、参加者と議論を行った。1) IDT 2013(ボルツァーノ自由大学、分科会A1、2013年8月2日):調査全体の概要と主な分析結果について(口頭発表)、2)EUROSLA 23(アムステルダム大学、2013年8月30日):作文データにみられる語順のエラーに関する調査結果について(ポスター発表)、3)25. DGFF-Kongress(アウグスブルク大学、2013年9月25日~28日):冠詞知識に関する調査の分析結果について(ポスター発表)(*ポスター発表部門最優秀賞を受賞)。作文におけるフィードバックの役割については論文として発表した。 また、2014年3月4日・5日には、第2言語としてのドイツ語習得研究に関する第一人者であるProf. Dr. Bernt Ahrenholz(イエナ大学教授)、Prof. Dr. Martina Rost-Roth(アウグスブルク大学教授)を招聘し、学習者言語の分析に関する講演会およびワークショップを開催した他、データの収集方法や分析、今後の共同研究の可能性について意見交換を行った。
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