本研究では日本語を母語とするドイツ語学習者の語順と冠詞の習得について、大学でドイツ語を学ぶ中上級レベルの学習者114名による作文(593テクスト、89,122語)を用いた調査を行い、習得の際の要因を考察した。語順および冠詞ともにエラーからいくつかのパターンが抽出された。エラーの要因としては、母語干渉およびドイツ語に内在する語彙的・統語的複雑性による影響が考えられ、特に後者は学習環境とは話しことばのインプットの影響を示唆している。 フィードバックの役割については、発話思考法およびインタビューを用いて調査を行い、理解プロセスはフィードバックのタイプおよび学習者により大きく異なることが観察された。
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