平成25年度は最終年度ということで、英語句動詞に関する実践授業や母語話者へのアンケート調査結果を6月の国際認知言語学会ICLA(エドモントン、カナダ)、11月のICT for Language Learning(フローレンス、イタリア)等の学会で発表した。質疑応答でのフィードバックをふまえ、改訂を重ねて動画を用いたテキスト作成に取り組んだ。3月にはアメリカ在住の英文原稿作成者を日本へ招聘し、研究協力者と共にユニットを完成させた。現在は出版社と打合せを行っている。イタリアでの学会発表の内容は論文集the 6th International Conference "ICT for Language Learning"の中で'Learning of English Phrasal Verbs with Audio-Visual Aids'として納められている。 本研究の意義・重要性として2点挙げられる。まず、英語句動詞に関する論文や著書は増えているが、動画と音声を用いた教材は珍しい。実践授業の結果その効果が検証され、研究発表で実際に紹介して世界中の研究者から好意的なフィードバックを得た。このことから、本研究は信頼に足るものであると実証された。次に、実践授業の対象が日本人大学生であるため、出版を希望しているテキストの対象者と一致している。さらに学生から「楽しい」という感想が多く出たため、目指している教材が具現化されたと考えられる。特に英語を苦手と感じている学生が楽しく積極的に英語を学ぶ姿が印象的であった。これは学習者の動機づけという点でも有効である。
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