研究課題/領域番号 |
23520716
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研究機関 | 金沢学院大学 |
研究代表者 |
横田 秀樹 金沢学院大学, 文学部, 准教授 (50440590)
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キーワード | 形態素習得 / 統語範疇 / 助動詞 |
研究概要 |
本研究の目的は、文訂正タスクを用いた文法形態素習得難易度の調査(横田・吉住2010)を発展させるものであり、当該年度の目的は、Goldschneider & Dekeyser/G&D(2005)が挙げる文法形態素習得難易度決定要因の一つ「Syntactic category」およびLuk& Shirai(2009)が指摘する「転移」の要因を、所有格-'sを通して調査した結果を論文としてまとめた。 また、その結果を踏まえ、「気づく」とは、学習者は何に気づきやすいのか、また気づきにくいのか、また、そのような差が出るのは何が原因かを特定するために、Syntactic categoryとインプット頻度の関係を調査すべく、助動詞の習得の調査を行った。結果として、助動詞の場合は、頻度よりも、Syntactic categoryの方が気づきやすさに貢献していることが明らかとなった。この研究結果は、EuroSLA2013で発表の予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り行った1年目の調査結果は予測と異なったが、主要目的である習得要因の解明に向けて、2つの要因(統語範疇と転移)の関係を調査し、順調に進んでいる。昨年度行った実験から示唆された統語範疇と表面的な音のスペルアウトの2つのレベルでの「注意」の向き方に差があることが今回のさらなる実験から明らかになりつつある。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画通り、頻度と気づきの関係を加味した実験を行い結果が出てきたが、追実験を行い、内容をEuroSLA2013にて発表し、それを論文にまとめる予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
当該年度の大半をデータ収集および分析・考察に費やしたため、学会発表の機会を次年度に行うこととした。したがって、次年度では、先行研究文献(静岡文化芸術大学)の収集と実験・考察をさらに進めると同時に、海外学会発表を含めた成果発表を積極的に行っていく予定である。
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