研究課題/領域番号 |
23520718
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
塩澤 正 中部大学, 人文学部, 教授 (10226095)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 国際研究者交流 |
研究概要 |
本研究の目的は国際英語論の立場から日本の教育現場で英語を教えるときの考え方、態度、留意点、基準などを、国際英語論との関連領域から考察し、具体的教授法や教材までを提供することである。Intelligibility 23年度は、文献をもとに国際英語論とは何か、またその観点から日本で英語を学び、教える意義を考察した。最も大きな意義は、ネイティブスピーカーのように話さなければならないという「呪縛」から、日本人英語学習者を開放することが、英語学習を精神的にも健全化し、授業を活性化することであるであることを確認した。また、「国際英語論」の視点から、目指すべき目標や態度を具体的に提示し、指導上の留意点を作成した。それは、以下の5つに集約されると考えている。1) 英語の多様性や世界共通語としての英語の特徴を認識する。2)多様な英語に対して非評価的で寛容な態度を育む。3)国際的コミュニケーションストラテジーを身につける。4)国際共通語としての自分の英語"My English"を肯定する。5)多様な英語を喋る人たちとコミュニケーションをとる喜びを知る。これに基づき、10個のベンチマーク設定し、日々の授業展開を考えることが可能であると考えている。これは、昨年の福岡でのJACET国際大会で口頭発表した。 また、『英語教育』2011年9月号で「学校でしかできない英語教育とは何か」というタイトルでその一部を発表した。 教材作成にも取り掛かった。現在、2年後の出版を目指して、国際英語論の観点から英語を教えることに適した英語学習教材と『国際英語論が英語教育を救う』(仮)の原稿を執筆中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度は米国で在外研究をする機会に恵まれた。だが、そのため、本研究を進めるための出張や機器や書籍の購入自ずと制限された。だが、予定通りのペースでおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
2012年度は、継続して「国際英語」に関して具体的に内外の先行研究を整理し、地域英語変種のInternational Intelligibility に関わる諸問題を整理する。加えて日本における国際英語の立場を明らかにし、その方向性を探る。そのための関係図書の購入と分析を行う。また、日本人英語の特性と国際通用度を発音・文法・語彙の側面から分析する。これは本学からの米国への留学生たちの英語の通用度を分析することで研究したいと考えている。 また、機会と費用が許せば英語教育で大きな成果を出しているブータンの英語教育の成功の秘訣を探りたい。自国の英語変種に関する意識、英米偏重主義からの自立度、国際英語論的視点の受容度をアンケートとインタビューを計画している。 教材と論文の執筆は継続する。
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次年度の研究費の使用計画 |
昨年度の繰越金を入れて、1,597,324の研究費がある。このうち、旅費として、700,000円を確保し、米国とブータンに出張する。また、謝金に約200,000円あて、音声の分析、データ入力、intelligibility評価をしてもらう。統計分析ソフトその他の購入に約200,000円、物品費(用品、図書、消耗品)に残りを充てる。
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