研究課題
本研究の目的は、客観テストの得点とCan-doチェックリストによる「自己評価」の情報を基に、1)類似言語経験が業務パフォーマンスに及ぼす影響を明らかにし、2)「業務の達成」に重点を置き、即戦力となる英語力を最も効率的に養成するためのカリキュラムガイドラインを作成すること、である。最終年度である26年度は、カリキュラムのガイドラインとして使用のできるcan-doチェックリストの作成を行った。チェックリストは、企業の人事・研修担当者や語学学習のインストラクターがリファレンスとして使用することを考慮し、可能な限り簡易な表とした。この表に含まれる情報は、1)業務タスク45項目(can-do statements形式)、2)英語スキル(リスニング、スピーキング、リーディング、ライティング、インターラクティブ)、3)難易度(難、中、易)、4)内容(一般的、専門的)である。各業務タスクは5つの習熟度レベルで、それぞれの 1)必要性、2)達成度(タスクパフォーマンス)、3)経験者と未経験者の業務達成度の差(自己評価)、の情報がまとめられ、一覧表となっている。このリストの特色は、ビジネスにおける実践的な英語力を「英語を使用して業務に必要なタスクを達成できるか・否か」という「業務の遂行能力」と捉え、言語パフォーマンスに影響を与える「言語能力」に加えてニーズや経験のインパクトの情報を提供している点である。学習者のニーズが高く、類似言語経験の有無がパフォーマンスに大きな影響を及ぼすタスクは、研修プログラムに率先して取り上げられるべき学習項目であると言える。これらの情報は実践的英語力の養成に役立つであろう。
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International Journal of Social, Human Science and Engineering
巻: 8-2 ページ: 75-79