研究課題/領域番号 |
23520720
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研究機関 | 京都女子大学 |
研究代表者 |
石川 圭一 京都女子大学, 文学部, 教授 (40259445)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 語彙発達 / 音韻知識 / 形態・頭語知識 / 英語学習者 / 派生の種類 / 語の頻度 |
研究概要 |
言語学習者はどのように語彙を発達させていくのだろうか。母語話者と第二言語話者の語彙知識は、どのように、なぜ異なるのか。本研究は、英語母語話者(成人、子供)と日本人英語学習者(beginner, intermediate, advanced)を対象に、英語派生語の音韻知識(強勢の位置)と形態知識(形態素への分割)を調べることにより、語彙発達の過程の一端を明らかにしようと企画された。特に、語の処理と保持に関して、語全体を保持しているのか、規則に基づいた処理を行っているのか、どちらが優勢なのかという問題を中心に考察を加え、母語話者・学習者を含んだ語彙発達モデルを提案したい。言語学習者の語彙知識がどのようなものであり、どのように発展していくかという問題は、第二言語習得研究の中心課題の一つである。英語の理解・生成に関しては、派生語の知識は欠くことが出来ず、また語彙の発達に大きく貢献する(e.g., Marslen-Wilson, 2007; Tyler & Nagy, 1989)。 平成23年度の実施内容は以下の通り。(1)実験材料の選定・作成:英語の語彙発達の過程を調べるための実験に使用する材料として、単一形態語と派生語の形での、英単語と無意味語を100語用意した。選定要因として、頻度と派生の種類を統制した。(2)パイロットスタディの実施と結果の解析:英語学習者(上級者と中級者)にパイロットスタディを実施した。その結果、頻度は中級者のみに影響し、派生の種類は、英語力に関係なく、上級者・中級者ともに影響を与えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
(1)実験材料の選定・作成に、予定以上に時間がかかった。英語の語彙発達の過程を調べるための実験に使用する材料は、単一形態語と派生語の形での、英単語と無意味語を100語用意するのだが、選定要因として、頻度と派生の種類を統制するため、選定と作成に予定以上の時間と手間がかかった。(2)パイロットスタディの実施と結果の解析に予想以上に時間がかかった。実験材料の準備が遅れたことに伴い、パイロットスタディの実施と解析に遅れが出た。(3)課題の変更・修正を余儀なくされた。パイロットスタディの結果、2種類の課題の内の1つである形態知識を調べる課題(形態素への分割)が、参加者にとって容易すぎ、天井効果が発生したため、課題を変更する必要が出た。現在、より高度な形態・統語知識を調べる課題を考案し、再度パイロットスタディを行っているところである。 以上の理由により、本年度はパイロットスタディの実施と結果の解析が遅延し、本実験に入ることができておらず、使用を予定していた物品費、人件費、旅費、データ解析に伴う費用等が使用されず、来年度に繰り越すこととなった。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は、まずは、改良された実験スキームでのパイロットスタディを実施、結果を解析する。次にその解析とレビューを元に、本実験を実施する。 本実験は、英語母語話者成人、英語母語話者子供、日本人英語学習者beginner、日本人英語学習者intermediate、日本人英語学習者advancedの5群に対する本実験を行う。各群、20名を募集する。日本人英語学習者は、TOEICのスコアにより、3つに分ける。例えば、Beginner(300-450点)、Intermediate(500-700点)、Advanced (800点以上)を基準とする。英語母語話者の子供は、6~7歳を対象にする。英語母語話者は米国で募集、実験を実施する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
本実験の実施に伴い、次の研究費を使用する予定である:参加者のもとで実験を行うための物品(PC、実験ソフト等)、旅費、実験参加謝礼、データ解析のための物品(統計ソフト、メディア等)。 本実験の結果考察のために、以下の研究費を使用する予定である:結果考察のための参考図書、結果を纏めるための英文校閲費、結果発表のための物品(プロジェクター、提示ソフト等)結果発表のための旅費(国内及び海外)
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